リスのようなジュラ紀の最初期哺乳類

2014.09.11
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新たに発掘された古代の哺乳類シェンショウ・ルイ(Shenshou lui)の化石。長い指と尾を持つすらりとした体は樹上生活に適していたとみられる。

Photograph by Jin Meng
 リスのような哺乳類が恐竜の頭上の木々を走り回っていたことを示唆する化石が中国で発掘された。哺乳類はこれまで考えられていたより早い時期に急速に進化した可能性が浮上している。 ハラミヤと呼ばれるこの哺乳類は約1億6000年前、ジュラ紀の中国に生息していた。すらりとした優雅な体は樹上生活に適していたとみられ、現代のサルのような枝をつかむことができる手足と枝に巻き付けることができる長い尾を持つ。

 研究に参加するアメリカ自然史博物館の古生物学者ジン・メン(Jin Meng)氏は、「トガリネズミのような食虫動物が恐竜の影におびえて暮らしていたという中生代の哺乳類のイメージを見直す必要がある」と話す。

 これまで謎の哺乳類ハラミヤは歯とあごの一部から推測するしかなかった。ところが2013年、メン氏らの研究チームが完全な骨格を発掘したと報告した。ハラミヤは現存する哺乳類とは似ても似つかないが、すでに絶滅した多丘歯目と近縁関係にある。多丘歯目は複雑な歯尖の構造を特徴とする。

 メン氏らは10日付で「Nature」誌に発表した論文の中で、3つの新種の6つの骨格について報告している。恐竜が地上を支配していた中生代、哺乳類はどのように進化したか。これまでの概念を覆す発見となった。

 オクラホマ州立大学の古生物学者アン・ウェイル(Anne Weil)氏によれば、初期の哺乳類はさまざまな体格を持ち、そこからさらに分岐しながら進化した可能性が浮上しているという。「現代の小さな齧歯(げっし)動物たちを見れば、ネズミとリスは違う動物だとわかる」。ハラミヤのような哺乳類の存在は中生代も現代と同じだったことを示唆している。

 新たに発掘されたハラミヤの骨格が覆そうとしているのは、古代の哺乳類の暮らしぶりに関するイメージだけではない。長らく謎の生き物とされてきたハラミヤの骨格を比較した結果、最初期の哺乳類はこれまで考えられていたより早い時期に登場した可能性が出てきた。

 これまで本当の意味での哺乳類はジュラ紀に登場したと考えられてきた。ハラミヤは限りなく哺乳類に近いが、厳密には哺乳類でないとみなされていた。

 ところが、メン氏らが完全な骨格を調べた結果、ハラミヤはやはり哺乳類だとわかった。メン氏によれば、最も古い骨格の年代を考えると、哺乳類は“少なくとも三畳紀の後期”、つまり2億2000万~2億100万年前に起源を持つという。

Photograph by Jin Meng

文=Brian Switek

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