トウワタ減少でオオカバマダラ絶滅危機

2014.08.29
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
オオカバマダラは毎年5000キロの距離を移動し、メキシコ中央部に到達する。過去数年間に市民科学者らが記録した個体数は激減している。

Photograph by Hope Ryden
 北米大陸からメキシコへ越冬のために移動するオオカバマダラの個体数が減っている。米国でトウワタが減少していることが原因のようだ。オオカバマダラは生態系の健全性を示す指標種であり、また代表的な受粉媒介生物であるため、この傾向は特に憂慮されている。 1975年、フレッド・A・アークハート(Fred A. Urquhart)氏の研究チームはナショナルジオグラフィックの助成を受け、オオカバマダラが毎年、秋になるとメキシコ中央部へ5000キロの距離を移動することを発見した。蝶がメキシコに到着すると、市民研究者らがその数を調査し、どれだけの個体が無事移動したかを推定している。

 2004年に越冬の移動をした個体は推定5億5000万だったが、2013年にはわずか3300万個体に激減していた。また、2012年から2013年にかけて、冬の生息地で記録された個体数は43.7%も減少した。

 違法な森林伐採や厳しい気象条件も個体数減少の要因だが、世界自然保護基金メキシコ支部(WWF Mexico)およびオオカバマダラ生物圏保護区の研究によると、米国で大量の除草剤が使われ、トウワタが減少していることが大きな原因だという。さらに、オンタリオ州ゲルフ大学のD・T・タイラー・フロックハート(D. T. Tyler Flockhart)氏のチームが、それぞれの要因がオオカバマダラの個体数に与える影響の大きさを比較したところ、トウワタの減少による影響が最も大きいことがわかった。

 トウワタはオオカバマダラが卵を産みつける唯一の植物で、幼虫の主要な餌でもある。オオカバマダラの生息にトウワタは不可欠だが、1995年から2013年の間に米国ではトウワタが21%も減少している。科学者、環境保護活動家、蝶愛好家らは、庭にトウワタを植えようと人々に呼びかけている。

 オオカバマダラの寿命は短く、次の冬にメキシコへ移動できるのは前回移動時から3世代後になる。オオカバマダラの生存は、集団の努力にかかっている。

Photograph by Hope Ryden

文=Lindsay N. Smith

  • このエントリーをはてなブックマークに追加