緑色の骨を持つ半透明のカエル、ペルー

2014.08.26
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ペルーで発見された半透明のカエル、セントロレネ・キャラピタ(Centrolene charapita)。

Photograph by Evan Tworney
 ペルー北部のアンデス山脈で新たに4種の半透明のカエルが発見され、そのうち3種は緑色の骨を持つことがわかった。 鼓動を打つ心臓など内臓がまるでX線で撮影したかのように細部まで透けて見える新種の両生類は、グラスフロッグ(glass frog、アマガエルモドキ科)に属す。

 渓流沿いに生息するセントロレネ・キャラピタ(Centrolene charapita)は、背中にある黄色い斑点がペルー産の唐辛子に似ていることから名づけられた。興味深いことに、採取された2匹の後足には、肉質でジグザグの突起が並んでいた。

 研究の共著者で、ブラジルにあるリオグランデ・ド・スル・カトリック大学の爬虫類学者サンチアゴ・カストロヴィエホ・フィッシャー(Santiago Castroviejo-Fisher)氏は、「150種のグラスフロッグがいるが、このような突起を持つものは10種といない。何のためにあるのかは不明だ」と述べる。

 研究に参加したイーストカロライナ大学のカエル研究者エバン・トゥーミー(Evan Twomey)氏は、その突起があることでカエルの輪郭があいまいになり、天敵から見えにくくなると推測している。

◆派手な彩色

 コクラネラ・グアヤサミニ(Cochranella guayasamini)は、多くのグラスフロッグのように半透明でない部分は緑色で、目の周りは特徴的な黄色い円で縁取られている。卵は渓流に張り出した葉っぱの上に産み付けられるが、オタマジャクシの間は鮮やかな赤みのあるピンク色をしている。

 この派手な彩色は、半透明の皮膚から血管が透けて、酸素の少ない底泥の中で育つのを可能にする仕組みではないかと研究チームは考える。

 3種目のキメレラ・コルレオーネ(Chimerella corleone)は、研究チームに熱狂的な小説・映画「ゴッドファーザー」三部作のファンがいることから名づけられた。

 滝が水しぶきを上げる場所にしか生息しないこのカエルは、2センチほどの大きさで決してマフィアのようには見えないが、上腕にスパイクのような骨を隠し持っている。

「おそらく、オス同士で戦う時に使うのだろう」とトゥーミー氏は言う。

 C・コルレオーネは、既に記された2種と並んで、緑色の骨を持つことが判明した。奇妙な特徴だが、グラスフロッグの間では珍しくない。この不思議な骨の彩色は、ビリベルジンと呼ばれる緑色の胆汁色素が代謝の副産物として蓄積されることによって生じると研究チームは推測する。

◆緑色の骨の謎

 緑色の骨を持つことが有利であるかどうかはまだ解明されていないが、「緑の骨を持つカエルの多くが樹上に住むことに気付いた」と、カストロヴィエホ・フィッシャー氏は述べている。

 4種目のヒヤリノバトラキウム・アナコレタス(Hyalinobatrachium anachoretus)は、標高2050メートルの雲霧林で発見された。同種のカエルは、高くても標高1000メートルに生息するため、この発見は「予想外だった」と同氏は言う。

 研究チームはこのカエルを数多く見つけているが、それはある一晩だけであった。同じ場所で別の夜に観察したところ、1匹も姿を現さなかったという。

 研究者にとって最大の疑問は、なぜグラスフロッグが半透明の体を持ち、われわれに内臓を見せてくれるかだ。身体は透明でも、実に謎多きカエルである。

 研究結果は、8月12日付で学術誌「Zootaxa」に発表された。

Photograph by Evan Tworney

文=James Owen

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