ホホジロザメ、ロボットカメラを襲う

2014.08.07
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下からシャークカムに襲い掛かるホホジロザメ。メキシコ、グアダルーペ島沖で撮影。ウッズ・ホール海洋研究所制作の動画より。

Image captured from video by The Woods Hole Oceanographic Institution / The Discovery Channel and Big Wave Producitons
 ホホジロザメ(英名グレート・ホワイト・シャーク)にはグレート(偉大)と形容される理由がある。獲物に下から奇襲をかける大きく力強い捕食動物だ。ある水中ロボットのおかげで、この恐ろしいサメに攻撃される様子をまさに高解像度で見ることができる。 ウッズ・ホール海洋研究所(Woods Hole Oceanographic Institution)は最近、メキシコ、グアダルーペ島の沖でREMUSシャークカム(REMUS SharkCam)に襲い掛かるホオジロザメの姿をとらえた。サメの専門家は最も“注目に値する”映像の一つだと口をそろえる。

 このカメラは長さ2メートルの自律型無人潜水機(AUV)に搭載されている。ほかにもゴープロ(GoPro)のカメラが6台付いており、タグを装着された動物を探して追いかけるための装置も内蔵している。

 重さ45キロのシャークカムは直接入力なしで稼働するため、自然の生息環境で暮らす海洋生物を観察するのに最適だ。今回の場合、海洋生物の怒りをかき立てる役割も果たした。

◆“とてもおいしそう”

 丸々太ったおいしそうなオットセイやアザラシを食べるサメがなぜ冷たい金属管に興味をそそられるのだろう? もしかしたら一部のサメが電場を感知するのと関係があるのかもしれない。

 専門家によれば、サメには電場を感知するロレンチーニ器官があり、獲物に狙いを定める助けになっているという。

 アセンズにあるジョージア大学の名誉教授で、『Sharks: The Animal Answer Guide(サメの秘密)』の共著者でもあるジーン・ヘルフマン(Gene Helfman)氏は、「ホホジロザメは金属にかみ付くことで悪名高い。金属は強力な電場を発している」と説明する。

 ヘルフマン氏は今回のプロジェクトに参加していないが、AUVのプロペラの音を聞いたサメがこの不思議な物体を調べてみようと思うのかもしれないと分析している。近づいてみると電場を感知するため、興味を引かれてかみ付く可能性が高いという。

「多くの場合、食べられないものだとわかると、一度かみ付いて拒絶する。そうでなかったことが印象深い」とヘルフマン氏は話す。

「とてもおいしそうな信号を発しているに違いない。そのため、一度かみ付いただけでは飽き足らず、むきになって何度も食べようとするのだろう」。

◆サメよりクリスマスツリーの方が怖い

 この映像を見て、サメがさらに怖くなった人がいるかもしれない。しかし、その必要はないと、ヘルフマン氏は言い添えている。統計的には、サメが人を殺すことは皆無に等しい。

 ヘルフマン氏によれば、サメが原因の死は全世界で1年に5~6件ほどで、アメリカでは1件に満たない。

 つまり、サメに命を奪われるより、クリスマスツリーからの出火で命を落とす確率の方が高いということだ。

Image captured from video by The Woods Hole Oceanographic Institution / The Discovery Channel and Big Wave Producitons

文=Jason Bittel

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