クジャクの目玉模様、進化の謎を解明

2014.07.15
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オスのインドクジャク。2009年、コスタリカのアラフエラで撮影。

PHOTOGRAPH BY PAUL SOUDERS / CORBIS
 クジャクが羽を誇らしげに広げると、われわれの視線は、色鮮やかな目玉模様に飾られた精巧な羽にたちまち釘づけとなる。一体なぜ、どのようにしてまばゆい“目”を進化させたのかは、これまで謎に包まれてきた。 クジャクとその近縁種の新しい詳細分析によって、目玉模様はメスを惹きつけるために進化しただけでなく、その過程で幾度も消えては再び現れていたことが明らかになった。

「目玉模様は、進化における最も極端な特徴の現れです。彼らは膨大なエネルギーを費やして大きな飾り羽を発達させました。種としての成功に重要な役割を果たしているに違いありません」と語るのは、研究リーダーでフロリダ大学の進化生物学者レベッカ・キンボール(Rebecca Kimball)氏。

 美しい青緑色の目は、長年研究者たちを魅了してきた。チャールズ・ダーウィンは、目玉模様(眼状紋とも呼ばれる)を特に印象的と考え、「どんな装飾品もこの美しさには及ばない。(中略)極めて注目に値する」と、著書『人間の由来と性に関連した選択』に記している。

 かつて目玉模様を研究した科学者らは、その進化がたった一度しか起こらなかったと結論付けた。また、目玉模様を持つ鳥のなかにはニワトリ、キジ、ウズラなどの大型鳥類を含むキジ目に属すものもいるが、彼らは模様を持たない鳥よりも互いに近い類縁関係にあるとも指摘した。

 一方、キンボール氏は、それが一度きりの進化だったとは考えていない。類縁関係に関する既存のデータによると、目玉模様を持つすべての鳥が近い類縁関係にあるわけではない。さらに、異なる種類の羽に模様が現れていることから、それぞれが独立して進化した可能性がある。

 模様が進化した頻度を知ることは、彼らの類縁関係を明確にし、どのような遺伝的または発達上の要因が目玉模様の出現に起因しているかを教えてくれるだろう。

◆ダーウィンの進化論に賛成?

 この謎を解くため、キンボール氏の研究チームは、目玉模様を持った3種を含む全15種の鳥類のゲノムから2000近い染色体部分の配列を解析した。

 解析を基に系統図を再現すると、目玉模様が幾度も進化と退化を繰り返していたことが分かった。

 同氏は、それがメスの好みに起因するものだと推測している。ある研究では目の形とそれ以外の形を比べ、メス鳥が目の形をした模様を持つオスを好むことが証明されている。

 派手な羽を生やすのに膨大なエネルギーを要し、メスだけでなく捕食者も惹きつけ、移動するのも一苦労というのに、オスにとってその特徴を保つことは、よほどの価値があるのだろう。

 新しい研究結果は、「これまで解明されなかった鳥類の縁類関係を明らかにし、系統図についてわれわれが学ぶべきことはまだたくさんあると教えてくれた」と、シカゴにあるフィールド自然史博物館で鳥類学の責任者を務めるシャノン・ハケット(Shannon Hackett)氏は話している。同氏はこの研究に参加していない。

「目玉模様の謎を探っていくと、進化と性淘汰に関するダーウィン自身の考えに行きつくでしょう。実に素晴らしい学説です」。

 今回の研究論文は、7月15日付で「Proceedings of the Royal Society B」誌に掲載された。

PHOTOGRAPH BY PAUL SOUDERS / CORBIS

文=Carrie Arnold

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