マウンテンゴリラ個体数増加、ルワンダ

2014.07.04
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ボルカノ国立公園の幼いマウンテンゴリラ。1980年代以降、数が2倍近くに増加した個体群の一員だ。

Photograph by Dave Stevenson. Rex Features via AP
 過去12カ月間に生まれたマウンテンゴリラの赤ちゃんに名前を付ける催し「クウィタ・イジナ(Kwita Izina)」が今月1日、ルワンダで行われた。今年で10回目となる、年1回の国を挙げたネーミングセレモニーだ。ジャン・フェリックス・キナニ(Jean-Felix Kinani)氏が中央のステージに上がることはなかったが、このセレモニーで命名された18頭の赤ちゃんゴリラは、彼の獣医チームから大きな恩恵を受けている。 キナニ氏は42歳のルワンダ人獣医だ。世界に残るマウンテンゴリラ880頭の健康維持に尽力する非営利団体「ゴリラ・ドクターズ」で中心的役割を担っている。その姿が広く知られるマウンテンゴリラは、ルワンダ、ウガンダ、コンゴ民主共和国東部に生息し、世界で唯一個体数が増加している大型類人猿である。

 2005年、人の赤ちゃんに命名を行う数百年来の伝統を元にして、ルワンダの観光当局がゴリラのネーミングセレモニーを始めた。それ以来、キナニ氏はルワンダ生まれのゴリラ163頭の命名を見守ってきた。

 セレモニーでは、国内外の幅広い外交官、保護活動家、観光当局者らが、赤ちゃんゴリラにつけるキニアルワンダ語(ルワンダの公用語)の名前を発表した。インゾジ(Inzozi:夢)、トウィユバケ(Twiyubake:自立)、ンデンゲラ(Ndengera:私を守って)、クンドゥルワンダ(Kundurwanda:ルワンダを愛す)などだ。

◆保護活動の活発化

 30年前、専門家たちは、ゴリラの一亜種であるマウンテンゴリラが絶滅に近付いている可能性を危惧していた。1981年、2つの主要なマウンテンゴリラ個体群のうち1つがすみかとし、3カ国にまたがるヴィルンガ山地で行われた生息数調査は、254頭という過去最少の数字を記録した。名高いゴリラ研究者ダイアン・フォッシー(Dian Fossey)は、密猟や人間からの伝染が疑われた呼吸器疾患など、マウンテンゴリラが直面する脅威についての啓発活動に年月を費やした。1985年に殺害される前、フォッシーは傷を負ったり病気にかかったりしたマウンテンゴリラを治療するクリニックの創設に向けてロビー活動を行っていた。

 翌年、米国の野生動物愛好家ルース・モリス・キースリング(Ruth Morris Keesling)氏が、今日の「ゴリラ・ドクターズ」の先駆けとなる「ボルカノ獣医クリニック」をルワンダに創設。ヴィルンガを拠点としたこのクリニックは、当初は米国人医師のジェームズ・フォスター(James Foster)氏1人が常駐し、対応も救急処置だけに絞っていた。その後、事業は獣医15人の規模にまで成長し、うち14人は地元出身者だ。予防的ケアも行うようになったほか、保護対象もウガンダのブウィンディ原生林に暮らすもう一つのマウンテンゴリラ個体群、さらにはコンゴ民主共和国のヒガシローランドゴリラへと広がっている。

 研究と観光の結果、ゴリラの人間への順化が次第に進んでくると、獣医たちは従来よりも多くのゴリラの健康状態を観察したり、救命処置を必要とする個体を捕獲したりできるようになった。キナニ氏は現在、ゴリラが生命の危機にある状況に彼自身やそのチームが対処する頻度を月1回と推計する。最も多いのは、バッファローやアンテロープを捕獲するわなにゴリラがかかってしまったり、危険な呼吸器感染を患うケースだ。

 報告によると、「獣医学的介入は、順化したゴリラとそうでないゴリラとの間に見られる個体数増加率の差のうち、最大40%を占める可能性がある。差の残りの部分は、密猟からの保護の強さによると考えられる」という。

 全体として、ヴィルンガのゴリラは1980年代の低水準から数が2倍近くに増えており、2010年に行われた直近の生息数調査では480頭に達していた。同様の増加はブウィンディでも確認され、1997年には約300頭だったゴリラが、2011年には400頭まで増えている。

Photograph by Dave Stevenson. Rex Features via AP

文=Jon Rosen in Kigali, Rwanda

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