クモの性格、仕事の成果を決める?

2014.06.17
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ヒメグモ科のアネロシムス・ストゥディオスス(Anelosimus studiosus)は一見するとみな同じに見えるが、「攻撃的」あるいは「おとなしい」という2つの異なる性格のどちらかを持つ。

PHOTOGRAPH BY JUDY GHALLAGHER
 押しが強くないと商談はまとまらない。でも穏やかで献身的でないと良い医者や先生にはなれない。人間社会では、個々の性格が職業の選択や成功に常に大きな役割を果たしている。クモの社会でも性格が重要であることが新しい研究によって明らかになった。 少数ではあるがアリやハチのようにコロニーで共同生活をする種類のクモがいる。彼らにもそれぞれ個性があり、それによって集団内での役割や仕事の向き不向きも決定されているようだ。

◆性格がすべて

 アリやハチのような社会性昆虫は、身体的な特徴を基に仕事が与えられる。例えば、体の大きなアリは主にエサを運んで外敵からコロニーを守る。

 性格が仕事にどのような影響を与えているかまだ十分に解明されていないと、研究を率いたピッツバーグ大学のコリン・ライト(Colin Wright)氏は述べる。

 6月16日付で「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌オンライン版に発表された新しい研究で、ライト氏の研究チームはアメリカ大陸に生息するヒメグモ科のアネロシマス・スタディオサス(Anelosimus studiosus)のメスを研究した。みな同じように見えるが、それぞれ「攻撃的」あるいは「おとなしい」という2つの異なる性格のどちらかを持つ。

 まず性格を判別するため、研究者らは箱の中に2匹のクモを入れた。1日経って2匹が互いに近づいた場合、両方がおとなしく協力的と見なされる。一方、反対の隅に離れていった場合、攻撃的なクモは個人的なスペースを要するため、2匹の内少なくとも1匹が攻撃的と判断される。次に2匹のクモは別れて、既におとなしい性格と判明しているクモとそれぞれペアを組み、攻撃的性格かどうか最終的に判断される。

 次に研究チームは、各性格のクモが受け持つ仕事を観察した。攻撃的なクモは、コロニーを守り、巣を作り、獲物を捕らえるのにほとんどの時間を費やした。一方、おとなしいクモのほとんどは小グモの世話をしていた。

 さらに、性格が仕事の成果にも関係していることが明らかになった。攻撃的なクモは、侵入者を追い払い、破れた巣を修復し、コオロギを捕まえることに長けていたが、小グモの世話をするのが下手で不注意に殺してしまうため、子孫に低い生存率をもたらした。

◆優しい親グモ

 過去の研究から、2つの性格が入り混じったコロニーの方がより成功していることが分かっている。しかし、おとなしいクモが果たす役割については不明瞭であるとライト氏は指摘する。中には、彼らをただの怠け者の居候と考える研究者もいた。

 社会性昆虫が役割分担をする際、性格が大きな役割を果たしている可能性があると同氏は言う。

 アリゾナ州立大学のジェニファー・フューエル(Jennifer Fewell)氏は、「仕事の分担は、アリやミツバチ、そして人間などの高度に進化した社会の特徴と思われてきた。しかし、社会的動物全般に共通した基本的組織化の原理かもしれない」と、今回の研究結果を受けてコメントしている。

PHOTOGRAPH BY JUDY GHALLAGHER

文=Marcus Woo

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