北半球CO2濃度、400ppm超える

2014.05.30
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中国北東部、長春市の大きな煙突から立ち上る煙。

PHOTOGRAPH BY IMAGINECHINA VIA ASSOCIATED PRESS
 気候変動の影響に関するレポートの発表から数週間後、米政府は石炭火力発電所からの二酸化炭素(CO2)排出量を制限する新規定を提案した。しかし、その直前に4月の大気中のCO2濃度が深刻な気候変動を示す指標である400ppmを超えていたことがわかった。 26日、世界気象機関(WMO)は、主要な温室ガスとして知られるCO2の4月の平均濃度が北半球全体で400ppmを超えたと発表した。ニューヨーク市にあるNASAゴダード宇宙科学研究所の気候学者、ギャビン・シュミット(Gavin Schmidt)氏によると、これほど高いレベルが月全体で観測されたのはこれが初めてだという。

 WMOは、この400ppmという数値はCO2濃度が産業革命以来40%上昇したことを意味すると指摘している。

◆重大な影響

 工業分野の二酸化炭素排出が多いため、北半球におけるCO2濃度は南半球をいくらか上回っている。また、北半球には南半球に比べて陸地と植物が多く、二酸化炭素の季節変動幅が大きい。大気中のCO2濃度は5月頃にピークを迎えるが、その後、植物が成長期に入り、大気中から多くの二酸化炭素を取り込むようになると低下する。

 大気中の二酸化炭素量は、自然の周期の中で上下に変動する。長期的な上昇が続くのは、人間の活動による二酸化炭素の排出が原因だ。WMOは、2015年もしくは2016年までに地球全体の年平均CO2濃度は400ppmを超えるだろうと予測している。米国海洋大気庁によると、昨年の世界年平均濃度はおよそ395ppm。近年は、年に2~3ppmのペースで上昇している。

 シュミット氏によると、これまでに採取された最も古い南極の氷床コアから、現在のCO2濃度は少なくとも過去80万年間で例のない水準だということが判明した。コアに捉えられた古代の空気の泡は、過去80万年の間に氷期と間氷期が交代し、CO2濃度がおよそ180~280ppmの間で変動したことを示している。科学者らはその他の証拠とあわせ、数百万年前からCO2濃度が400ppmを超えたことはなかったと考えている。

 一方、地球全体の平均気温の上昇を産業革命前の平均から摂氏2度未満に抑えるため、世界の200カ国近くが2015年末までに対策を講じることに同意している。すでに地球全体の平均気温はおよそ摂氏0.8度上昇している。

 先月、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、気温の上昇を2度未満に抑えるにはCO2濃度を450ppm未満に維持しなければならないと警告している。もし現在のペースで二酸化炭素を排出し続けるなら、この閾値は20~30年以内に超えてしまうことになる。

PHOTOGRAPH BY IMAGINECHINA VIA ASSOCIATED PRESS

文=Brian Clark Howard

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