逆立ちで交尾する新種のカエル、インド

2014.05.26
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交尾の儀式をするクンバラナイトフロッグのメス(左)とオス。

Photograph by Kotambylu Vasudeva Gururaja
 インド西部で風変わりな交尾様式を持つ新種のカエルが発見された。 西ガーツ山脈の湿林で発見されたクンバラナイトフロッグ(Nyctibatrachus kumbara)は、逆立ちをしながら交尾して木の枝などに卵を産み付け、産んだ卵に泥を塗り付けて保護する。このような行動を取るカエルが見つかったのは世界で初めてだという。

「Zootaxa」誌に5月16日付で発表された研究によると、名前の「クンバラ」という言葉は、この新種のカエルが生息するインド西部ウッタラ・カンナダ地方の言語で「陶芸家」を意味する。

 バンガロールにあるインド科学研究所の両生類研究者で今回の論文著者の一人、コタンビル・バスデバ・グルラジャ(Kotambylu Vasudeva Gururaja)氏によると、クンバラナイトフロッグのオスとメスは、出会うと後脚で立ち上がり、川面の上にある枝や植物、岩などの卵を産みつける場所に触れる。 そして、交尾中にメスはオスを背中に乗せたまま逆立ちをし、卵を産み始める。研究チームはこの夜行性のカエルを2006年に最初に発見し、観察や映像記録を行っている。

◆アクロバットのような交尾

 オスは卵を受精させるとメスから飛び降りるが、メスは逆立ちをしたまま、長ければ20分もの間、卵を産み続ける。

 グルラジャ氏によると、このカエルが後脚で立つのは卵を産む場所を示すためではないかと研究チームは考えているが、確かなことはわからない。また、メスがオスの体の大きさを確認するためであるかもしれない。

「メスはオスの体長を確認しているのではないかと考えられる。オスはメスが卵を産む直前に精子を放出するので、オスの体が小さいと、空中に産みつけられた卵に精子がうまくかからない可能性がある」。

 メスが体の小さなオスとは交尾をしないことがあるのも、同じ理由からかもしれないと同氏は述べた。

◆両生類の陶芸家

 メスが多くて7つの卵を産んだ後にオスは、これまでカエルについては報告されたことのない方法で育児を行う。

「オスは前脚で泥をすくい、後脚で立って卵を泥で覆う。人間のように指を使って作業をする」とグルラジャ氏は説明する。

 まるで陶芸家の作業のようなこの泥塗りには25分ほどかかり、川床から卵へと40~50回、繰り返し手を動かすこともあるという。

 卵は枝にしっかりとくっつき、人間が手で取ろうとしても簡単には剥がれない。

 クンバラナイトフロッグが川面の上に卵を産み、それを泥で覆うのは、淡水カニなど、カエルを含めたあらゆるものを食べる水生捕食者から卵を守るためだと研究チームは考えている。

 また、泥をかけるのは、卵を乾燥から防ぐためかもしれない。卵からは一週間ほどでオタマジャクシが孵り、下の川面に落ちる。

Photograph by Kotambylu Vasudeva Gururaja

文=James Owen

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