新種のハチ、シャキーラ(学名Aleiodes shakirae)。右下の金色の丸は、大きさを示すためのピンの頭。

Photograph by Eduardo Shimbori
 獲物からミイラをつくる新種のハチ24種がエクアドルの雲霧林で発見された。 アメリカ、ワイオミング州ララミーにあるワイオミング大学の昆虫学者スコット・ショー(Scott Shaw)氏によれば、アレイオデス(Aleiodes)と総称される寄生性のハチはイモムシの体内に産卵した後、そのイモムシをミイラ化させる。ハチがこのような行動をとるのは“非常に珍しい”という。

「通常、(卵からかえったハチは)イモムシを食べてしまうか、イモムシの死体が干からびて腐敗するまでそのままにしておく」とショー氏は話す。

 ショー氏が新種のハチを発見したのは、調査のためワイオミング大学の学生たちとともにエクアドル北部のヤナヤク・バイオロジカル・ステーション(Yanayacu Biological Station)を訪れたときだ。

◆ミイラづくり

 アレイオデス属のハチは世界中に生息し、偏性寄生性の特徴を持つ。偏性寄生性とは、ほかの種に依存しなければ生活環を完了させることができない性質のことだ。

 アレイオデス属のメスは宿主となるイモムシを選ぶと、その体内に卵を産み落とす。イモムシはその事実に気付いてさえいないようだが、卵がかえると、幼虫は体の中からイモムシを食べ始める。すると、イモムシの活動は鈍り、死とともに停止する。

 幼虫は死を迎えたイモムシの首に穴を開け、イモムシの体を平らな場所に固定する。

 そして、体の中からさらに食べ進めると、イモムシの体は縮み、変色する。こうして硬くなったイモムシの体はまるでミイラだ。

 幼虫は抜け殻と化した宿主の体内でさなぎになり、ミイラの背中に穴を開けて成虫の姿で出てくる。

 卵を産み落としてから成虫が出てくるまでの期間は数カ月だ。

◆名前にも注目

 ワシントン州スポケーンにあるゴンザガ大学(Gonzaga University)の教授だった昆虫学者のジョセフ・フォーティア(Joseph Fortier)氏は、寄生性のハチは何千種も確認されているため、「一度に24の新種を発見しても驚かない」と話す。

 その上で、「本当に素晴らしいのは、24種のうち4分の3の宿主がはっきりしていることだ。(寄生性のハチは)見つけるのがとても難しく、調査には大変な労力を要する。価値ある研究成果だ」と評価している。

 このハチたちを注目すべき理由がもう一つある。スティーブン・コルベア、ジミー・ファロン、エレン・デジェネレス、シャキーラといった有名人の名前が付いていることだ。

 ショー氏は最も色鮮やかな種に妻と同じマリリンという名前を付けた。例えば受粉など、「これらのハチは森林の生態系で本当に重要な役割を果たしている」とショー氏は話す。「有名人の名前には、ハチたちの重要性を知ってもらいたいという願いが込められている」。

 研究結果は「Zookeys」誌に4月28日付で発表された。

Photograph by Eduardo Shimbori

文=Carrie Arnold