シマウマの縞の理由、防虫説が最有力?

2014.04.07
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カメラマンの方を見るシマウマ。タンザニア、セレンゲティ国立公園にて。

Photograph by Brian Hilsmeyer, National Geographic Your Shot
 シマウマの縞は、現在の最も詳細な研究によると、厄介な虫を寄せ付けないように進化したものだという。 3種類いるシマウマはすべて、スイギュウやアンテロープ(レイヨウ)などアフリカのほかの草食動物と比べると縞模様がはっきりしている。このいわゆる“シマウマの縞の謎”には、ダーウィンを始めとして科学者たちが1世紀以上頭を悩ませてきた。主な仮説は、虫を追い払う、カモフラージュ、捕食者を混乱させる、体温を下げる、そして社会的相互作用のための5つだ。

 それが今回初めて、この5説すべてを統計モデルにかける研究が行われ、白黒がかなりはっきりした結果が出た。

 今回の研究を主導した、カリフォルニア大学デービス校の生物学者ティム・カロ(Tim Caro)氏は、「縞模様との結びつきが強い要素がアブの締め出しだけであることが、何度も繰り返し確認された」と語る。

「有力な結果がひとつの方向に出てうれしかった」とカロ氏は言う。

◆シマウマの縞を研究

 研究にあたってカロ氏が率いる研究チームは、博物館のコレクションや歴史地図を含む広範囲な情報源からデータを集めた。

 研究チームはまず、ウマ、ロバ、シマウマを含むウマ属の現生種7種およびその亜種20種について、縞のパターンのバリエーションを調べた。多くは、体のどこかに何らかの縞があった。

 研究チームはまた、顔、腹部、臀部など、縞の出る位置も記録した。

 そのうえで、研究チームはウマ属の現生種と絶滅種の生息地、アブ類が見つかる場所、ライオンやハイエナといった捕食者の分布、森林の分布など、縞の進化に関係するかもしれない環境要因を地図化した。

 その結果を見ると、縞の位置や種とは無関係に、縞のある種の分布と、アブ類が最も活動的な場所とが重なっていた。

◆これで決まりではない?

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の生物学者で、サバンナシマウマを研究しているブレンダ・ラリソン(Brenda Larison)氏は、今回の研究の手法は「大ざっぱ」であり、より明確な研究が必要になるのではないかと話している。

「話はもっと複雑である可能性があり、これがこの問題の最終的な回答になるとは考えにくい」とラリソン氏はいう。同氏は、ナショナル ジオグラフィック協会の研究・探検委員会(CRE)から資金の提供を受けている。

 ラリソン氏は、防虫が「現在最も支持される仮説」であることには同意するが、「ほかの仮説は大半があまり研究されておらず、明快な証拠はまだ欠けている」と話す。

「確信するためには、現場の生きているシマウマが実際にどうなのかを知る必要がある」

 野生のシマウマは、近寄ることが難しいこともあり、アブ類が止まるのを避けるかどうかは実際の観察では確認されていない。また、アブが縞模様を避ける理由もわかっていない。

 それでも、論文の著者であるカロ氏は、さまざまな草食動物が交じったグループにアブが群がれば、アブはシマウマを避けると確信しているという。

「議論は次の段階に進んだ。(ほかの)すべての仮説はもうほとんど考慮に入れないでいいだろう」とカロ氏は話している。

 今回の研究結果は4月1日付で「Nature Communications」誌に発表された。

Photograph by Brian Hilsmeyer, National Geographic Your Shot

文=Christine Dell'Amore

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