危険なデート、動物たちの過激な愛の形

2014.02.24
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交尾後にオスを食べるカマキリ。

Photograph by Sivitri Delphia, National Geographic Your Shot
 真実の愛を見つけるのが難しいことはどの種に生れ落ちても同じなのだろうが、人間であれば少なくとも初めてのデートで恋人に食べられる心配はまずない。クロゴケグモやサソリのメスは、交尾後にオスを殺して食べることがある。もちろん、すべての動物の求愛行動が危険、またはメスによって支配されているわけではないが、「科学の世界はで、危険な繁殖行動に驚かされることが多い」と、トロント大学スカボロ校の動物交尾の専門家メイディアン・アンドレード(Maydianne Andrade)氏は語る。

 ここでは、野生動物の究極の求愛儀式を4つ紹介する。

◆クロゴケグモ

 世界中に見られる多種なクロゴケグモの中でも、オーストラリアのセアカゴケグモ(学名:Latrodectus hasselti)は極めて複雑なデート手順を示す。

 セアカゴケグモは、80%のオスが交尾相手を一生見つけることができない。つまり、数匹のオスグモがメスの巣の上で彼女の注意を引く競争を行う。

 優位にあるメスは、オスに対して我慢テストを仕向ける。巣の上で一番長く待つことができるオス、概して一番忍耐強いあるいは最も多くのエネルギーを持つオスが勝ち残り、遺伝子を残すチャンスを得る。

 メスの周りに十分な数のオスが集まって選り好みできる状況になると、オスの求愛行動がより顕著に見られるとアンドレード氏は説明する。

 さらに、オスたちにとって、一度の出会いが交尾相手を見つける唯一の機会となることもある。

「メスは努力しなくてもオスと交尾できる。どのオスが優位に立つかは、優れた遺伝子を持っているかどうかによる」。それは、求愛儀式の中で誇示される。

◆ヒラムシ

 クロゴケグモと違って、扁形(へんけい)動物はライバルのオス同士が争うことはない。雌雄同体である扁形動物の一部は、相手と戦うことで、どちらがオスになるかを決定する。

 ヒラムシの初デートは1時間にも及ぶペニスファイトで、お互いの体を突き刺そうと奮闘する。

 最初に相手の体を突き刺した方が父親となり、以降の責任から免れてその場から立ち去る。負けた方はその一撃によって妊娠し、食べ物と安全な場所を求めてさらなるエネルギーを費やすのだ。

◆ペリカンアンコウ

 ペリカンアンコウ(学名:Melanocetus johnsonii)のオスは、やけにまとわりつくボーイフレンドだ。この種は水深2000メートルの深海に生息するため、相手を見つけるチャンスは極めて少ない。

 オスのペリカンアンコウの体は、メスよりもかなり小さい。また、オスの消化器官は成魚になると機能しなくなるため、その前にメスのアンコウを必死に探し回る。

 メスを見つけるや否や、オスはメスの腹部に食らいつき、皮を溶かして一体化し、死ぬまでメスから栄養供給を受ける。

◆カマキリ

 もう一人の魔性の女、カマキリは、性的共食い種として悪名高く、交尾が完全に終わる前からオスを食べることがよくある。

 メスを探すため、オスのカマキリは空気中の臭いをひたすら嗅ぎまわる。近くにメスのほのかな香りを嗅ぎつけると、彼女に近づいてちょっとしたダンスを披露する。メスは彼の動きを気に入ると、頭を食いちぎろうとする前にオスに交尾させる。

 そのほかにも世界中には沢山の興味深い求愛行動が存在する。キジオライチョウのオスは尾羽を広げながら胸を膨らませて歩き、サケは産卵のために川の流れと戦い、ウミガメは交尾中必死になって互いにしがみつく。

Photograph by Sivitri Delphia, National Geographic Your Shot

文=Angie McPherson

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