ガリレオの功績:落体の物理学

2014.02.17
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伝承によると、ガリレオは鉄球と木製の球をピサの斜塔から落下させ、どちらが先に着地するか実験したとい う。

Photograph by Hulton Archive/Getty
 ガリレオの最も有名な実験は、1589年に行われた、ピサの斜塔から質量の異なる球を落下させる実験だ。実際は行われていないともいわれるこの実験の目的は、物体は同じ速度で落下し、重い物体ほど重力によって速く落下したりはしないことを証明することだ。 この説は、重い物体ほど速く落ちるとするギリシャの古典的物理学を否定したものだ。1971年には、アポロ15号 の乗組員によって月面でも同じ実験が行われ(空気抵抗の影響を排除するため)、ハンマーと鳥の羽を落下させた 結果、ガリレオの説が裏付けられた。

 この実験で真に特筆すべき点は、これが“実験”だったということだ。それまでの科学研究における主張は、も っぱら頭の中で思考されるか、神学的原理に沿って議論されるものだった。それに対しガリレオは、科学的主張は 実験によって証明するという理念を打ち出した。このシンプルな理念はしかし、当時としては画期的だった。

 さらにガリレオは、科学的観察には数学が不可欠だと提唱し、自らの観察結果を表にして報告した。これは現在 の実験ノートの原型だ。

 またガリレオは自らの知識を実際に応用し、レンズを研磨して望遠鏡の精度を高め、それを使って惑星の衛星や 太陽黒点、月のクレーターの観測など、天文学の先駆的発見を行った。

Photograph by Hulton Archive/Getty

文=Dan Vergano

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