生誕450年、今も輝くガリレオの功績

2014.02.17
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ガリレオ・ガリレイは、地球が太陽の周りを回っていることを発見したことにより、晩年の8年間を軟禁状態 に置かれた。

Photograph by The Gallery Collection/Corbis
 ガリレオの残した功績は、今日もなお世界を豊かにし続けている。木星の衛星を発見し、アリストテレスの物理学を覆し、また、史上最も有名な異端審問裁判において有罪判決を受けたことで知られるガリレオ・ガリレイ。しかし、彼の最も偉大な功績は、今日に続く近代世界の基礎を築いたことだ。 2014年2月15日に生誕450周年を迎えたルネサンスの比類なき天才の功績を、この機会に詳しく振り返ってみよ う。ガリレオは1564年に現在のイタリア、ピサに生まれ、77年の生涯を送った。その一生は、ヨーロッパ科学革 命の幕開けの歴史だ。

 ガリレオは今なおニュースに取り上げられている。彼が1600年代に発見した錯覚、すなわち金星を肉眼で見る と、望遠鏡で観察した場合よりはるかに大きく、ぼやけて見える(ガリレオはこれを“輝く冠”と呼んだ)とい う謎が、このほどついに解明されたのだ。

 ニューヨーク州立大学検眼学カレッジの神経科学チームが発表したところによると、この錯覚は、視覚情報を 処理する脳の細胞の働きによるものだという。脳は明るい物体と暗い物体で異なる反応をするため、暗い宇宙を 背景に明るい惑星を見ると、惑星の見かけの大きさが歪められてしまう。

◆科学のオープンアクセス化

 異端審問所の目を恐れ、一部オランダで発行した文書や書籍を通じて、ガリレオは今日もなお科学界に息づく 理想を具現化した。科学者は団結して未知なるものの解明にあたり、その発見の旅は国境を超えるという理想 だ。ガリレオは同時代の他の自然哲学者や革新的な思想家たちと広く文通した。その1人が、惑星の運動に関す る法則を発見したドイツの天文学者、ヨハネス・ケプラーだ。

 自分たちの発見を書き記すことで、ガリレオたちは科学情報の通信システムの原型を生み出した。これは現在 では科学ジャーナルという形をとり、科学的発見の手法、結果、問題点がオープンに記述されている。

 ガリレオは同じ学者だけでなく、一般大衆に向けても文章を書いたと、歴史家のダグ・リンダー(Doug Linder)氏はガリレオの異端審問裁判に関する記述の中で述べている。「ガリレオは、耳を傾けてくれるすべて の人に対して、自然哲学の相談役とならずにはいられなかったようだ。ガリレオは小冊子、パンフレット、書 簡、対話文を書いた。それも、権威ある学者ぶった、大げさで長たらしい言葉を使わず、簡潔かつ直接的な言葉 で」。

 このコミュニケーションの才があだとなり、宗教当局とのトラブルに至った可能性は十分に考えられる。その 結果が自由な思考に対する弾圧、異端審問裁判だ。この裁判はその後何世紀にもわたってバチカンのしこりとな った。ガリレオに対する有罪判決は、知的自由を求める啓蒙運動を推進し、それがのちのアメリカ合衆国憲法や 国連の世界人権宣言につながった。

 そして生誕から450年を経た今もなお、ガリレオが異端審問官に言った(とされる)言葉、「それでも地球は 動く」は人々に記憶されている。今では多くの惑星の1つであることが知られる地球を幸福な場所にしたのは、 異端審問官よりもガリレオのほうだ。

Photograph by The Gallery Collection/Corbis

文=Dan Vergano

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