オーストラリアのアデレード動物園で83歳まで生きたオオフラミンゴのグレーター。

Photograph by Nicole Miller/Adelaide Zoo/EPA
 世界最高齢のオオフラミンゴが1月末、天に召された。グレーターという名で、オーストラリアのアデレード動物園で最も有名だったフラミンゴは、永の眠りについたとき83歳だった。 グレーターは重度の関節炎を患い、目もほとんど見えなかったため、安楽死させてやるのが一番よいと飼育係 が判断した(オオフラミンゴの英名はgreater flamingoだが、この個体は名前もGreaterだった)。

 多くの人はペットが10歳を超えるだけで凄いと感じるものだが、野生には人間よりもずっと長寿な生き物がいる。たとえば海綿の中には、1500年以上も生きるものがいる。

 動物たちの有名な長寿の例を6つ挙げよう。

◆ 1. 明王朝時代の二枚貝

 生まれた当時中国を支配していた王朝の名を取って「明」(ミン)と名付けられた深海の二枚貝をご存知だろうか。この貝は2006年に命を終えたとき、それまでに記録された世界最古の生き物だと考えられた。

 このアイスランドガイ(学名Arctica islandica)は507年間生きた後、不慮の死を遂げた。

 2006年、科学者らが気候変動の調査のため、研究室に持ち帰ろうとアイスランド沖で引き揚げた約200個の貝を船上で冷凍した。この時に貝はすべて死んだが、研究室で調べたところ、そのうちの1つが非常な高齢であるとわかり、明と名づけられた。

 泥の中にはもっと高齢の貝が潜んでいるかもしれないが、明は死後の名声を得ることができた幸運な貝だったとも言える。

◆ 2. 巨大なホッキョククジラ

 2007年、130歳のホッキョククジラが死んだ。このクジラはその年、エスキモーが国際捕鯨委員会監視下での先住民生存捕鯨の最中に捕えたもの。

 クジラの首から百年以上前に製造された銛の尖頭が出て来たため、クジラの年齢が特定できた。専門家によると、発見された尖頭は1880年頃に操業していたニューイングランド地方の工場で作られたものだったという。

 ホッキョククジラは、極寒ながら食物の豊富な北極の環境に適応し、代謝がゆっくりであることなどから、およそ200年は生きられると考えられている。

◆ 3. 鯉の花子

 信憑性が疑われてはいるが、日本の岐阜県で飼われていたコイで1977年に永眠した花子は、226歳という堂々たる年齢だったという。魚の鱗は年輪のように数えることができ、鱗から花子の年齢が推定された。

 コイは観賞用の生き物としてアジアで人気があり、最高級のコイは数千ドルもする。平均的な寿命は47年ほどだ。

◆ 4. 知恵という名のアホウドリ

「ウィズダム(知恵)」と名付けられたアホウドリは、鳥の世界で最も高齢な母鳥かもしれない。2012年に62歳で推定35羽目のヒナを孵し、今も太平洋のミッドウェー環礁国立自然保護区で元気に生きている。

 高齢な鳥はほかに、82歳のソデグロツルや、80歳を超える個体もある飼育オウム、フラミンゴなどがいる。そう、フラミンゴは長生きだ!

◆ 5. ロンサム・ジョージはまだ中年

 ゾウガメも長寿で有名だ。イギリス史上最高齢とされたゾウガメのトーマスは、昨年、ネズミに齧られた脚の傷が細菌感染し、130歳でこの世を去った。2012年にガラパゴス国立公園で亡くなったロンサム・ジョージは、まだ中年と言える推定100歳だった。

 トーマスよりももっと高齢のカメもいる。

 18世紀にジェームズ・クックがトンガ王国に献上したトゥイ・マリラ(Tui Malila)は188歳まで生き、インドのアドワイチャは2006年の死亡時には少なくとも150歳、もしかしたら250歳だった可能性もあるとされる。「ダーウィンのカメ」として知られるガラパゴスゾウガメのハリエットは、およそ176歳まで生き、2006年にクイーンズランド州のオーストラリア動物園で大往生した。

◆ 6. 不死のクラゲ

 高齢の個体名を挙げることはできないが、1880年代に地中海で発見された、厳密には決して死なないクラゲ、ベニクラゲ(学名Turritopsis dohrnii)を忘れてはいけない。

 このクラゲは死ぬ代わりに、成熟個体から若返って未成熟のポリプに戻ることができ、そのサイクルを繰り返す。我々人間が不死になりたければ、ベニクラゲと仲良くするとよいかもしれない。

Photograph by Nicole Miller/Adelaide Zoo/EPA

文=Jennifer S. Holland