地球より住みやすい惑星はあるのか?

2014.01.20
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ケンタウルス座アルファ星Bの周りを公転する惑星の想像図。太陽型恒星の周りを公転する惑星としては、これまで発見されたなかで最も明るいものだ。

ARTIST RENDERING HANDOUT/REUTERS/CORBIS
 プラネットハンターたちが地球に似た惑星を探すのに躍起になっているなか、地球以上に生命に適した“スーパーハビタブル”惑星が存在するという新たな説が発表された。もしこれが正しければ、地球外生命体を見つけたいのなら、それらの惑星を探すほうがいいということになる。 1995年、太陽系の近隣にある恒星の周囲を回る系外惑星の存在が報告され始めた。これまでに発見された系外惑星の数は1000個を超え、海があり、大気中に十分な量の酸素が含まれる地球にそっくりな惑星を見つけようと、熾烈な競争が繰り広げられてきた。なぜなら、生命が進化を遂げたことが分かっている宇宙で唯一の場所が地球だからだ。

 しかしカナダ、マックマスター大学のルネ・エレール(Rene Heller)氏とユタ州オグデンにあるウィーバー州立大学のジョン・アームストロング(John Armstrong)氏は、これをあまりに地球中心的な見方として反論している。論文の中で両氏は、「多種多様な生命居住可能環境が存在する可能性があり、そのなかで地球は辛うじて住めるというレベルかもしれない。生命中心の観点からすれば、地球は極めて特異な環境ということもありうる」と述べている。

 地球よりも生命に適した条件を備えた環境が存在する可能性があり、それらに焦点を絞って惑星の探索を行うべきだと、エレール氏とアームストロング氏は主張する。両氏はこのような仮想の環境を“スーパーハビタブル”と呼んでいる。

◆ウォーターワールド

 では、スーパーハビタブル環境を特徴付けるものとは何なのか? 生命が居住できる環境かどうかを決めるのは水だ。このことには両氏も賛同している。だがそれ以外にも、地質や大気に関する複数の要因を、居住可能性に影響をおよぼす可能性があるとしてあげている。

 例えば、誕生から時間が経った惑星のほうが、生命が進化する機会が多く存在すると考えられる。また大きな星(最大で地球の3倍ほど)の場合、火山活動が活発でガスが放出されることから、大気が存在する可能性が高い。

 地球自体はハビタブルゾーン(生命居住可能領域)の端に位置していると考えられる。つまり、ハビタブルゾーンの中心付近に位置する惑星は、生命が生存する環境としてより適している可能性があると、両氏は述べている。

◆懐疑的な見方も

 一方で、スーパーハビタブル説に対して懐疑的な見方もある。「生命の居住が可能かそうでないか、惑星はそのどちらかに分類される」と、大気科学者で、惑星系のハビタブルゾーンという概念を初めて提唱したジム・カスティング(Jim Kasting)氏は主張する。この概念によれば、表面温度が高すぎず低すぎず、水が液体で存在できる範囲を惑星が公転している場合、その惑星は生命が生存可能な環境ということになる。

 しかし、ペンシルベニア州ステートカレッジにあるペンシルベニア州立大学の物理学者ラビ・コッパラプー(Ravi Kopparapu)氏は、生命の居住に適しているか否かの“2つに1つ”しかないという考え方はあまりに限定的すぎるとするエレール氏とアームストロング氏の意見に賛同する。ハビタブルゾーン内にある星の多くが生命の生存に適していないと見られる一方で、地下に広大な海を持つ土星の衛星エンケラドスと木星の衛星エウロパのように、ハビタブルゾーンに含まれていなくても生命が居住できる可能性のある星も存在する。

◆発見が待たれる星々

 2018年にNASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が打ち上げられれば、惑星の大気を近くで観測できるほか、海があるかどうかも分かり、組成分析を行えると期待される。

 スーパーハビタブル惑星が存在するとして、それを見つける手段が開発されれば、地球に似た惑星よりもそうした惑星のほうが数が多いことが判明するかもしれない。現在のところ、スーパーアース(巨大地球型惑星)と呼ばれる惑星が地球サイズの惑星の数を上回っているとされている(ただし、サイズの大きな惑星のほうが見つけやすいことから、調査に偏りが生じている可能性もある)。

 スーパーハビタブル説は地球外の生命を発見する機会を広げてくれるものだとコッパラプー氏は言う。「なぜなら、生命が生存できる条件を備えたスーパーアース惑星が存在する可能性が広がることになるからだ。生存可能性をめぐる今後の研究では、これらの惑星を考慮に入れることが欠かせないと考えている」。

 今回の研究論文は「Astrobiology」誌1月号に掲載されている。

ARTIST RENDERING HANDOUT/REUTERS/CORBIS

文=Sarah Fecht

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