人身御供、チムー王国の墳墓

2013.12.04
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8月下旬、南米ペルー北部沿岸の砂漠地帯で、チムー文明末期の墳墓(複式構造)が発見された。貴族階級に属する音楽家と機織りの男女など、少なくとも4名が埋葬されている。写真は生贄と見られる遺骸2体で、墓の主に殉じたと考えられている。

Photograph by Matthew Helmer, NG Grantee
 8月下旬、南米ペルー北部沿岸の砂漠地帯で、チムー文明末期の墳墓(複式構造)が発見された。貴族階級に属する音楽家と機織りの男女など、少なくとも4名が埋葬されている。写真は生贄と見られる遺骸2体で、墓の主に殉じたと考えられている。 古代都市遺跡サマンコ(Samanco)は、ネペーニャ川(Nepena River)の谷間にあり、規模は300平方メートルほど。紀元前800~200年に栄えた、小さな交易都市の遺跡が全体を占める。

 しかし、紀元前の石造りの構造物以外に、日干しれんが造りの竪穴(たてあな)式墳墓も地下3メートルで発見された。すでに広大なインカ帝国の支配下にあった、15~16世紀の建造と見られる。

 発掘チームの責任者で考古学者のマシュー・ヘルマー(Matthew Helmer)氏は、「チムー・インカ期の墳墓は非常に珍しい。ヨーロッパ人と接触する直前のアンデス沿岸地域の暮らしが詳しくわかるかもしれない」と話す。同氏は、ナショナル ジオグラフィック協会とウェイト財団(Waitt Foundation)から発掘調査の資金提供を受けている。

 墳墓の主室はスペイン植民地時代に略奪を受けたが、両サイドの石室は手つかずのままだ。

 発見された大量の副葬品にはナイフや首飾り、布などが含まれている。

Photograph by Matthew Helmer, NG Grantee

文=A. R. Williams

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