オカピが激減、レッドリスト最新版

2013.11.29
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カリフォルニア州、チャネル諸島に生息するシマハイイロギツネ。IUCNのレッドリストによると、個体数は回復している。

Photograph by Kevin Schafer, Corbis
 スイスに本拠を置く国際自然保護連合(IUCN)は11月25日、絶滅危惧種に関する今年2度目の更新情報を発表した。 まずは歓迎すべきニュースから。オサガメの個体数が特に大西洋で大幅に増加しているという。

 一方、残念なことに、オカピがIUCNのレッドリストで新たに絶滅危惧IB類(絶滅危機)に分類された。アフリカ中部の密林に生息する希少な哺乳類で、「森のキリン(forest giraffe)」として親しまれている。

 この相反するニュースは、IUCNが管理する世界の希少種ガイド、レッドリストの最新情報の一部にすぎない。

 イギリス、ケンブリッジの事務所でIUCNのレッドリスト部門を管理する保全生物学者クレイグ・ヒルトン・テイラー(Craig Hilton Taylor)氏は、「世界中で起きているさまざまな問題に光を当て、激減している種や必要な対策を明らかにするのが目的だ」と語る。

 個体数の減少を報告するだけでなく、成功例の紹介にも努めているという。「世の中、悲観的な話ばかりではないからね」。

 最新版から3つのニュースを紹介しよう。

◆1. オカピが減少

 オカピはコンゴ民主共和国の森の奥深くに生息する、謎の多い哺乳類だ。尻から足にかけての独特のしま模様がシマウマを思わせるが、実はキリンの近縁種。めったに姿を見せないので、伝説のユニコーンに例えられることもある。

「最新版の編集中、オカピの激減振りにショックを受けた。保護対策が実施されるよう願っている」とテイラー氏は述べる。

 コンゴのヴィルンガ国立公園など保護区では、武力衝突や不法侵入が絶えない。オカピの肉や毛皮を狙った密猟も続いている。

「しかし、ここ数カ月間、保護団体の活動は進展している。地域には秩序が戻ってきているようだ」。

◆2. シマハイイロギツネの個体数が回復

 20年前、アメリカ、カリフォルニア州南部沖のチャネル諸島に生息するシマハイイロギツネは、個体数が約1500頭まで激減した。

 当時、島に侵入した外来種のイヌワシやネズミなどが、小型捕食動物のシマハイイロギツネを圧倒。イヌワシに狙われ、獲物を争う立場にも追い込まれる。ネズミは病気を持ち込んだ。

 国立公園局はイヌワシ駆除に乗り出し、シマハイイロギツネを繁殖させて野生に戻す取り組みに成功した。特定の病気の予防接種も行った。現在は約5500匹まで回復している。

◆3. アホウドリの個体数が変動

「深刻な状況には変わりはないが、アホウドリ科の鳥類に回復の明るい兆しも見える」とテイラー氏は話す。長距離移動する大型の海鳥で、地球1周分の旅も難なくこなす。大きな羽を広げて海の上空を飛翔しながら過ごしているが、ここ数年間で個体数が減少している。特に漁業などの影響が疑われており、エサとなる魚の奪い合いや、網に捕まって死亡する場合もあるという。

 成体のマユグロアホウドリの個体数は110万~140万羽、成体のクロアシアホウドリは12万9000羽とIUCNは推定している。

 個体数復活の試みとして、海鳥の死亡につながる漁獲方法の制限や優れた漁業技術の普及などを始め、卵の保護を目的にネズミなど在来種の駆除活動が専門家によって行われている。

Photograph by Kevin Schafer, Corbis

文=Brian Clark Howard

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