ペンギンの多様化は気候変動のせい?

2013.11.14
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現生ペンギンが、このジェンツーペンギンを含む多くの種に分かれた背景には、南極大陸の寒冷期が影響した可能性がある。

Photograph by Paul Souders, Corbis
 現生ペンギンの共通祖先は、いつ、どのようにして地球上に現れたのか? この謎をめぐる激しい議論をさらに沸騰させそうな研究結果が発表された。ペンギンの進化には、気候変動が関係している可能性があるという。 現生ペンギンの最も新しい共通祖先が生息した推定時期は、これまで数千万年の開きがあった。DNAの解析結果は、共通祖先が約4000万年前に生息していたことを示しているが、化石証拠が示す生息時期は約1000万年前だ。

 しかし今回の遺伝子研究の結果、現生ペンギンの主な系統が分岐し始めたのは今から約1100万~1600万年前、共通祖先が現れたのは2000万年前であることが示唆された。

 また今回の研究によると、南極大陸の長い寒冷期が、現在18種存在するペンギンの分岐を促した可能性があるという。

◆矛盾の解消

 既存研究より多くのDNA解析データに基づいた今回の研究結果は、遺伝学的証拠と化石証拠の矛盾を解消するものだと、オーストラリアにあるグリフィス大学の博士研究員で、今回の研究を指揮したサンカー・サブラマニアン(Sankar Subramanian)氏は述べる。

「ペンギンの出現が従来予想より遅いことを、我々は初めて明らかにした。その時期は形態学的データに基づく推定時期と一致した」とサブラマニアン氏は述べる。

 興味深いことに、サブラマニアン氏の研究チームが割り出した現生ペンギンの分岐時期は、今から1000万~1500万年前の、南極大陸が急速に寒冷化し、全土が氷に覆われたと考えられる時期と一致する。

「そこで我々はこの2つの点を結びつけ、考えられる関連性を推測してみた」と、サブラマニアン氏は電子メールでの取材に対して述べた。とはいえ同氏の研究チームは、「この関連性について何か裏付けを得ているわけではない。裏付けを得るのは非常に困難だ」という。

◆謎の開き

 ペンギンに似た生物の化石は6200万年前のものが見つかっているが、そこから現生ペンギンの祖先が出現するまで数千万年もの開きがある。

「2つの時期の大きな開きによって、次のような疑問が浮かんでくる。ペンギンの古い系統はどうなったのか? 他の古い系統がみな絶滅した原因は? それは南極大陸や地球の気候が変動したためなのか?」とサブラマニアン氏は話す。

 サブラマニアン氏のチームは今後、熱帯のガラパゴス諸島から極寒の南極大陸まで、多様な環境に生息するペンギンの分子的特徴を比較する計画だ。

「それによって、ペンギンがこれほど多様な気候にどうやって適応できたのかといった重要な情報が得られるかもしれない」とサブラマニアン氏は述べている。

 今回の研究は、「Biology Letters」誌オンライン版に11月13日付で発表された。

Photograph by Paul Souders, Corbis

文=Ker Than

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