2つの尾を持つ太古の鳥

2013.10.08
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2つの尾をもつ1億2000万年前のジェホロルニス(復元図)。

Illustration courtesy Aijuan Shi
 鳥の祖先には尾が2つあった? 新しい研究によると、1億2000万年前のある鳥は、長い1本の尾に加えて、葉のような第2の尾を持っていたという。この発見は、現在の鳥たちに見られる尾が複雑な進化をたどってきたことを示唆している。 その鳥とは、2番目に古い鳥として知られるジェホロルニス(Jeholornis)だ。生息地は現在の中国。同地域では、この10年間に他の羽毛恐竜の化石が多数発掘されている。ジェホロルニスは化石から、七面鳥ほどの大きさで、翼部分の前肢にツメを持ち、下あごに小さな歯が3本あったことがわかっている。同じく化石から、先が扇のように広がつ長い尾が1本あったと考えられていたが、今回、研究チームは、葉のような第2の尾がこの鳥を飾っていたことを発見したと主張している。

 北京にある中国科学院のジンマイ・オコナー(Jingmai O’Connor)氏は今回の研究論文の中で、「ジェホロルニスの“2つの尾”の羽飾りはユニークだ」と述べている。

 研究によると、この太古の羽飾りの証拠を残すジェホロルニスの11の化石のうち6つの化石に、11本の羽根からなる葉状の尾の形跡があった。背中に「視覚的に目立つ」仕方で真っすぐ突き出ていたという。

◆2つの尾によるディスプレー

 ニューヨークにあるアメリカ自然史博物館の古生物学者マーク・ノレル(Mark Norell)氏は、「明らかに、この葉のような形にディスプレー(誇示)の側面があることは否定できない」と語る。同氏は今回の研究には加わっていない。「クジャクなど、大きな羽をディスプレーに使う現存する鳥たちを思いだす」。

 クジャクのような鳥にとって、羽の機能は、つがいになるかもしれない相手の注意を引くことが何よりも大きい。

 現在の鳥ではオスのほうが目立つ羽を持つことから、目を引く葉のような尾を持っていたのは、ジェホロルニスのオスかメスの一方だったのではないかと研究チームは考えている。

◆第2の尾は飛ぶためのもの?

 ジェホロルニスは現在の鳥と直接的な関係はなく、今の鳥たちは初期鳥類の別の系統から進化したと考えられている。研究では、葉状の尾には飛行を安定させる役割があったのではないかと示唆している。このような羽の配置に十分な利点があることが明らかなら、現在の鳥たちは、2つの尾を持つように進化したかもしれない。飛行中、葉状の尾が平らになることで、ジェホロルニスは流線型になったと研究チームはみている。

 しかし、今回発見された葉状の尾が飛行に大きな役割を果たしたという考えには納得しない研究者もいる。

 テキサス大学の古生物学者ジュリア・クラーク(Julia Clarke)氏は、「新しい標本の羽は非常に興味深いが、現時点ではひとつの種でしか確認されていない特徴であることを忘れてはならない」と話し、葉状の尾はすべての化石に見つかったわけではないと続ける。

 クラーク氏は言う。「そのため、飛行の起源と密接に関係していたのかは明確ではない。論文でも述べているように、1つの種に特有のものであったのはないか」。 葉状の尾は、この初期鳥類が披露する目につきやすい「性的なディスプレー」として進化したものでしかない可能性が高いだろうとクラーク氏は述べている。

 今回の研究結果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌オンライン版で2013年10月7日に発表された。

Illustration courtesy Aijuan Shi

文=Dan Vergano

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