慎重な性格の鳥は似た者同士で集まる

2013.09.27
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数十年間にわたって集団調査が続けられているシジュウカラ。

Photograph from Bildagentur Online/McPhoto-Rolfe/Alamy
「類は友を呼ぶ(Birds of a feather)」ということわざがあるが、それは鳥類の群れには文字通り当てはまるようだ。最新の研究によると、慎重な性格のオス鳥は、同じような性格同士で群れを作る傾向があることがわかった。 イギリス、オックスフォード大学のエドワード・グレイ野外鳥類研究所の研究者たちは、オックスフォードのウィザムの森に生息するシジュウカラを対象に、動物の性格と社会行動の関連性を調査した。

 大規模な社会的ネットワークを持つ鳥類ほど、より多くの食糧を得られることは以前から知られている。群れを作る傾向が強いと、生き抜いていくうえで有利になるのだ。

 研究チームの一員、ジュリー・モランド・フェロン(Julie Morand-Ferron)氏によると、生物学や行動生態学の世界では、個体の性格と社会行動の関連性は発展著しい新しい研究分野だという。「一貫した行動が性格を表すとすれば、脊椎動物や昆虫などのすべての動物にあてはまる」と同氏は語る。

 今回の研究の目的は、次の仮説を検証することだったという。「慎重で“消極的”な性格の鳥は探索行動が遅いためリスクが低く、大胆で“積極的”な性格の鳥はリスクが高い分、得られる食糧も多い」。

◆性格の検証

 しかし最初の課題は、シジュウカラの性格を見分けることだった。

 そこでチームは、221羽の野生のシジュウカラを捕獲、人工的な木が5本立ち並ぶ部屋に一羽ずつ放してから行動を記録するという手法を採用した。

「慎重な性格の個体は行動が非常に注意深く、木々を行き来して飛ぶ頻度も少ない。一方、大胆なシジュウカラは非常に活発に動き、飛ぶ動作も素早い」。

 行動が記録された後、すべての個体は解放され、野生での行動が観察されることとなった。

◆慎重な性格の利点とは?

 ウィザムの森のシジュウカラは60年間以上研究対象になっており、大部分は発信装置が埋め込まれたプラスチック製の輪を足に付けている。森に点在する65カ所のエサ場に近づくと、設置されているセンサーが信号を受信する仕掛けだ。

 数羽から数十羽の群れを形成する冬季の数カ月の間に、チームは調査対象の個体のエサ場と、群れのメンバーを観察。

 すると、捕獲時に慎重な性格に分類されたオスは比較的長期間、同じ性格の個体同士で群れる傾向があった。一方、大胆な性格の個体は、複数の群れを転々としがちだったという。

 モランド・フェロン氏のチームは以前の論文で、今回の研究で大胆な性格に分類されたシジュウカラのような鳥は、大規模な社会的ネットワークを形成する傾向を示し、より多くの情報が手に入るため、迅速にエサを見つけられると結論付けている。

 しかしその一方で、慎重な性格のオスが似た者同士で小さな群れを長く維持することに、どのような進化生物学上のメリットがあるのかはまだわかっていない。研究チームは、慎重なオスのシジュウカラは大胆なオスを避ける傾向があるという仮説を立てているが、モランド・フェロン氏はさらなる調査が必要だと強調する。

 英語には「手中の1羽は藪の中の2羽に値する」ということわざもある。将来手に入る可能性がある大きな利益を求めてリスクを取るのか、今手元にある確実な利益を大事にするべきか、シジュウカラに聞いてみるのが手っ取り早いのかもしれない。

 今回の研究結果は、「Ecology Letters」誌オンライン版に9月17日付けで発表された。

Photograph from Bildagentur Online/McPhoto-Rolfe/Alamy

文=Rachel Hartigan Shea

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