糖尿病予防に効果的な果物と摂取方法

2013.09.09
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手摘みされるブルーベリー。2010年8月6日、バーモント州シャーロットにあるシャーロット・ベリー・ファームで撮影。

Photograph by Robert Nickelsberg, Getty Images
 ブルーベリーのさらなる健康効果が判明する一方、フルーツジュースについては懸念が強まっている。ハーバード大学の栄養学チームの最新研究により、果物をそのまま食べると糖尿病の発症リスクが低下するのに対し、フルーツジュースを飲むとかえって糖尿病リスクが上昇することが明らかになった。 25年間にわたって、18万人超を対象に行われた調査のデータを分析したところ、一部の果物、特にブルーベリーを食べていた人は、2型糖尿病の発症リスクが最大26%低かったと研究は報告している。

 調査では、ブドウまたはレーズン、プルーン、バナナ、カンタロープ(マスクメロンの一種)、リンゴまたはナシ、オレンジ、グレープフルーツ、ブルーベリー、イチゴ、核果(モモ、プラム、アンズ)について、それぞれ参加者の摂取状況を質問によって調べた。

 その結果、ブルーベリーが糖尿病リスクを軽減する効果が最も高く、その次がブドウとリンゴで、特に週3回以上食べていた場合に効果が高かったという。なお、ブルーベリーの1回の標準摂取量は半カップだ。

 そのほか、プルーン、ナシ、バナナ、グレープフルーツにも糖尿病リスクの軽減効果がみられたが、それ以外の果物に効果はなかった。

 この違いをもたらすのはポリフェノールだと、研究共著者で、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院およびハーバード大学公衆衛生大学院の栄養学准教授であるチー・スン(Qi Sun)氏は述べる。植物由来の化合物ポリフェノールには、アントシアニン、クロロゲン酸、レスベラトロールなどの種類があり、いずれも強力な抗酸化作用をもつが、このポリフェノールの一部が体内でのグルコース(ブドウ糖)の処理を助けている可能性がある。ブルーベリー、ブドウ、リンゴは、いずれもこれらの有益なポリフェノールを豊富に含む。

 スン氏らのチームが研究に用いたのは、長期的な「ナースヘルス研究」(Nurses' Health Study)の女性15万1209人分のデータだ。1976年から始まった同研究では、看護師の生活様式と健康状態を、質問票と医学的検査によって追跡している。これに加え、男性医療従事者に対する同様の調査で、1986~2008年に実施された「医療従事者フォローアップ研究」(Health Professionals Follow-up Study)から、男性3万6173人分のデータが用いられた。

◆ジュースは逆効果

 また今回の研究では、興味深い“逆効果”が明らかになった。リンゴやオレンジ、グレープフルーツなどのフルーツジュースを摂取しても、果物をそのまま食べるのと同様の健康効果を得られないばかりか、かえって糖尿病リスクが上昇するという結果が出たのだ。1日に1回以上ジュースを飲んでいた人は、飲んでいなかった人に比べて糖尿病の発症リスクが21%高かった。

 これにはいくつかの理由が考えられると、スン氏は述べる。「ジュースに加工される際に、一部のフィトケミカル(植物中の化学物質)と食物繊維が失われる」のに加え、液体は個体より速く吸収されるため、果物をそのまま食べるより、ジュースで飲むほうが「グルコースとインスリンの値に迅速かつ劇的な反応」を引き起こすという。

 調査の質問票には、参加者の摂取したジュースが低温殺菌処理をしたものか、あるいは加糖したものかまで尋ねる項目はなかったが、市販されているジュースの多くはこのような処理がなされている。

 大規模な疫学調査からその種の詳細なデータを得ることは難しいと、スン氏は述べる。「参加者は多くの場合、自分が通常飲んでいるジュースにどれほどの糖分が添加されているかを知らない。(しかし、)糖分を添加したジュースのほうが糖尿病リスクとの関連が強いであろうことは、当然誰しも想像がつく」。

 炭水化物の摂取量ばかりを気にするのでなく、食事で摂取する炭水化物の質にも注意しなければならないとスン氏は言う。すなわち、白パンなどの精製された炭水化物よりも全粒穀物を、加工されたジュースよりも生の果物を選んだほうが健康的だ。

 今回の研究は、8月29日付で「British Medical Journal」誌オンライン版に発表された。

Photograph by Robert Nickelsberg, Getty Images

文=Amanda Fiegl

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