ピンク色の系外惑星、すばるが直接観測

2013.08.12
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マゼンタ色をした系外惑星の想像図。今なお形成時の熱で輝いている。

Illustration courtesy S. Wiessinger, NASA
 地球から57光年の距離にある、太陽によく似た恒星の周囲に、“ピンク色”の系外惑星が見つかった。しかし、その起源は謎だ。 最新研究によると、今回見つかったマゼンタ(明るい赤紫)色の巨大ガス惑星GJ 504bは、ハワイ島のすばる望遠鏡を使って直接観測することに成功した系外惑星だという。色の特徴から、これまで観測された系外惑星と比べて大気中の雲が少ないと考えられるが、これは大気のより深いところまで見通して、惑星の構成要素を推測できることを意味する。

「もしこの巨大ガス惑星まで行くことができたら、形成時の熱で今なお輝いている姿が見えるだろう。その色は、暗い桜色のような、くすんだマゼンタ色だ」と、研究共著者でアメリカ、メリーランド州にあるNASAゴダード宇宙飛行センターの天体物理学者であるマイケル・マケルウェイン(Michael McElwain)氏は声明の中で述べている。

 恒星の観測から存在を推測されるのではなく、望遠鏡を使って直接観測された系外惑星は、今回のものを含めて5つか6つしかないと、同じく研究共著者でプリンストン大学の天体物理学者であるマーカス・ジャンソン(Markus Janson)氏は話す。これまでに直接観測された他の惑星は、今回よりはるかに大きな恒星の周囲を回っており、「その意味で、(このピンクの惑星には)もう少し親しみが感じられる」。

 摂氏約237度のこのガス惑星は、訪れるのに快適な場所ではなさそうだ。それでも研究者たちは、惑星の”軽さ”に関心を寄せている。直接的な検出法を用いて、太陽型恒星の周囲で発見された系外惑星の中で、GJ 504bは最も質量が小さい部類に属する。

◆押し出された?

 この惑星の公転軌道は主星GJ 504から約43天文単位(AU)離れており、海王星の太陽からの距離(30AU)を大きく上回る。主星と距離が開いているため、GJ 504bの位置は、通常惑星が形成されると考えられる領域から外れる。

 コア・アクリーション(降着)モデルと呼ばれる惑星形成メカニズムでは、若い恒星の周囲をとりまく物質の円盤において、岩石、塵、氷が衝突してくっつきあい、この硬い塊が惑星の大きさまで成長する。

 しかし、このメカニズムは恒星に近いところで起こる傾向にあるとジャンソン氏は述べる。「(今回の惑星は)とても遠くにあるため、コア・アクリーションによる形成過程を推測するのは非常に困難だ」。

 若い太陽系において、生まれたての惑星どうしがぶつかり合ううちに、ピンクの系外惑星が衝突によって現在の軌道上へ押し出された可能性も考えられると、マケルウェイン氏はインタビューの中で述べている。しかし、惑星形成は発展途上の分野であり、これもあくまで考えられる説明の1つにすぎないという。

◆はるか遠く

 マケルウェイン氏のチームは、このマゼンタ色の巨大ガス惑星の軌道についても、さらに詳しく知りたいと考えている。主星から43AUも離れた軌道では、1回転するのに100年以上かかると、マケルウェイン氏は述べている。ただし、地球に対する向きから考えて、この系外惑星は主星とさらに離れている可能性も大いにある。

 系外惑星の軌道の形状を調べることは、惑星形成についてのさらなる手がかりにもつながる。軌道の離心率が高い、すなわち軌道が楕円形であった場合、“押し出し説”が裏付けられると、マケルウェイン氏は述べる。

◆より完全な全体像

 宇宙に存在する系外惑星の種類について、できるだけ完全に近い全体像をつかむことが重要なのはそのためだと、研究共著者でプリンストン大学の天体物理学者であるアダム・バロウズ(Adam Burrows)氏は話す。

 そしてそのような目的には、高コントラスト撮像技術を用いた系外惑星の直接検出が非常に役立つ可能性がある。「惑星発見の手法として、これまで2番手、3番手に甘んじていたが、ここへきて真価を認められつつある」とバロウズ氏は言う。

 また今後1、2年の間に登場するいくつかの望遠鏡を使えば、系外惑星が放つ弱い光をこれまで以上にうまくとらえることが可能になるとバロウズ氏は話す。

 従来の検出技術は、主星の近くにある系外惑星をとらえるのに適していた。これに対し、高コントラスト撮像技術は、主星から遠く離れた惑星についてより多くのことを知るのに役立つとバロウズ氏は述べている。

 今回の研究成果は、「Astrophysical Journal」誌の8月20日号に掲載される予定。

Illustration courtesy S. Wiessinger, NASA

文=Jane J. Lee

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