グアテマラ北部、ホルムル遺跡から最近発掘された、古代マヤ文明のフリーズの全体像。古代建築一般に組み込まれた帯状の部分で、装飾が施されている場合が多い。発掘チームの一員、アメリカ、ハーバード大学でマヤ文明の碑文を研究するアレクサンドル・トコビニン(Alexandre Tokovinine)氏が、数百枚の高解像度写真をデジタル処理で1枚に合成した。チームを率いているのは、同じくマヤ文明の専門家フランシスコ・エストラダ・ベリー(Francisco Estrada-Belli)氏だ。
Photograph courtesy Alexandre Tokovinine, CMHI/Harvard/Proyecto Aqueologico Holmul
Photograph courtesy Alexandre Tokovinine, CMHI/Harvard/Proyecto Aqueologico Holmul
この人物についてエストラダ・ベリー氏のチームは、古代都市国家ナランホの王アフウォサフ(Ajwosaj)が、対立するティカル王国からホルムルの町を奪還した後、支配者として認めた人物ではないかと推測する。
マヤ文字の専門家、テキサス大学のデイビッド・スチュアート(David Stuart)氏もこの説を支持する。「中央の人物は、これまでの歴史資料でも見あたらない。しかし、フリーズ内の位置関係からも、ホルムルを治める地域支配者という推測は妥当だと思う。ホルムルの南にあったナランホは当時、ティカルと覇権を争うカーヌル(Kaanul)王国の属国だった。とすると、カーヌル、ナランホ、ホルムルの力関係が見えてくる」。
Photograph courtesy Alexandre Tokovinine, CMHI/Harvard/Proyecto Aqueologico Holmul