ショクダイオオコンニャク、ついに開花

2013.07.23
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アメリカ植物庭園で咲いた高さ2.4メートルのショクダイオオコンニャクの花の回りに見学者が群がった。

Photograph by Jacquelyn Martin, AP
 アメリカのワシントンD.C.にあるアメリカ植物庭園は、ふだんの日なら、ちょっと立ち寄ってバラの香りを楽しむことに何の苦労もいらない。ところが7月22日には、入場者の列が、正面から角を曲がって次の角までの半分くらいまで伸びていた。筋金入りの花好きたちや、近くの職場で働く物見高い人たちが見物に集まったのは、ワシントンD.C.で最も有名な植物、高さ2.4メートルにも達する「死体花」だ。アンディと名付けられたこの花は、死肉のような臭いがすると言われている。 アンディという名前は、「アンドロジナス(雌雄同株)」から付けられた。この花は、ショクダイオオコンニャク(スマトラオオコンニャク)という植物で、インドネシアのスマトラ島西部の原産。この植物は、8年から10年に一度しか花をつけない。その珍しい開花が予想され、アメリカ植物庭園に運び込まれたものだ。

 この花は、予想外の開花をすることに加えて、開く直前から独特の臭いがする。人によって、腐りかけの肉、汚れたおむつ、発酵した野菜など、いろいろに形容される臭いだ。鼻をつくようなこの悪臭は、開花後半日も続かないため、いっそう珍しい見ものとなる。

 アメリカ連邦議会議事堂にほど近い植物庭園のガラス張りの建物に人々が集まったのは、この独特な臭いを味わうためだった。だが残念なことに、アンディはまずいタイミングで開いてしまった。悪臭を放ったのは閉園時間中で、わずかな職員を除けば、これを体験できた人はいなかった。

 バージニア州リンドンからやって来たというジョージ・マイカさんは、「臭いが嗅げなくて残念です」と話した。マイカさんは、この臭いをひと嗅ぎするために100キロ以上車を運転してきたのだ。マイカさんも、集まったほかの人たちと同じように、一生に一度という臭いを体験できると思って来たのだが、実際に嗅げたのは、蒸し暑い温室の中で汗をかいた人々のかすかな体臭だけだった。

◆期待された結末は

 アンディは育ち始めて7年になるが、ここ数週間で急激に巨大化した。開花が予想され、7月入ってから植物庭園に運び込まれた。そのときの重さは113キロだった。

 しかし、この珍しい巨大花の開花は、科学的に正確に予測することができない。植物庭園は1週間、閉園時間を遅らせ、アンディのライブ映像をインターネットで流したが、無駄だった。この臭い花は、当初の予想を何日か過ぎても開かなかった。

「ワシントンD.C.版のロイヤルベビーのようなものよ」と農務省の職員、デニース・シルベスターさんは話す。シルベスターさんは昼休みに友人2人と一緒に植物庭園に立ち寄った。数日前からインターネットのライブ映像をチェックし、最高の悪臭を放つアンディを見られると期待して来たという。

 花から3メートルほどのところに立ったシルベスターさんは、「それほどすごくはないですね」と感想を漏らした。

 同僚のレネイ・マンさんも、「この花は、とてもユニークなところが、大きさと臭いと2つありますけど、その珍しさの半分だけ味わった感じ」と話した。

 だが、見学者の多くは、この状況をそれほど悪くは受け取っていない。メリーランド州ロックビルから来たダーリーン・ピエロさんは、「臭いというだけなら来なかったでしょう」と話す。「この植物がどれほど貴重で素晴らしいかが分かっている人は、良さを味わえると思います」。

 同じ考えの人は、ほかにもいる。「これは1つのイベントです。2年に1度とか10年に1度しかない出来事があって、それを見る機会があるなら、見るしかないでしょう」と、近くの職場から来たローズマリー・テンアイクさんは話した。

Photograph by Jacquelyn Martin, AP
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