大きな鼻の角竜、ユタ州で発見

2013.07.18
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ナーストケラトプス・ティトゥシ(Nasutoceratops titusi)の想像図。枠内は、復元された頭骨。

Illustration courtesy Lukas Panzarin; Photograph (inset) courtesy Rob Gaston
 新種の恐竜が見つかった。現在のアメリカ、ユタ州に生息していたトリケラトプスの類縁種で、驚くほど大きな鼻の持ち主だ。 最新研究によると、このナーストケラトプス・ティトゥシ(Nasutoceratops titusi)は白亜紀に生息した四足歩行の大型草食動物で、角竜のグループであるケラトプス科の一種だという。

 ケラトプス科に属するほとんどの恐竜は、トリケラトプスに似た姿をしており、頭が大きく、鼻の上に小さな角が1本、両目の上に角が1本ずつ、そして骨質の装飾であるフリルが首の上まで広がっていた。

 しかし、今回発見された恐竜はかなり違った姿をしており、並はずれて大きな鼻の上に小さな角が1本、両目の上には極端に長く、カーブした角が1本ずつ、そして鉤やとげ状の突起のない簡素なフリルをもっていた。

 名前のナーストケラトプスは、ラテン語で“大きな鼻と角のある顔”を意味する。

 今回の研究の共著者で、デンバー自然科学博物館の古生物学者であるスコット・サンプソン(Scott Sampson)氏は、ナーストケラトプスは動きがのろく、身を守るために大きな群れをなしていたのではないかと考えている。

 おそらくオスは自分の“頭飾り”をメスの気を引くために使っており、オス同士で戦うときは互いの曲がった角をかみ合わせていただろうとサンプソン氏は述べる。また角は他のオスに対する視覚的シグナルとして、「俺に近づくな。俺はお前より大きいぞ」というメッセージを発する役割を果たしていた可能性もあるという。

 ペンシルバニア州ピッツバーグにあるカーネギー自然史博物館の古生物学者マット・ラマンナ(Matt Lamanna)氏は、角は草食動物であるナーストケラトプスが身を守るのにも役立っていた可能性があると話す。「頭に大きな“槍”をもっていたら、食べられそうになってもそれが武器になる」。ラマンナ氏は今回の研究には参加していない。

◆古生物学者の夢

 ナーストケラトプスは今から約7500万年前の白亜紀に、北アメリカ大陸の中央部が浅い海で分かれてできた大陸ララミディアに生息していた。

 草食恐竜のナーストケラトプスは、海岸からほど近い、現在のルイジアナ州に似た沼のような入り江で、他の多くの恐竜たちとともに植物を食べて暮らしていた。ナショナル ジオグラフィック協会から資金援助を受けているサンプソン氏によると、そこは「辺り一帯がジャマイカのような素晴らしいビーチフロントだった」という。「電気の通ったフェンスを張ってティラノサウルスを締め出せば、完璧だっただろう」。

 現在では広大な手つかずの荒地になっているその場所は、「古生物学者にとっての夢」だとサンプソン氏は述べる。アメリカ本土では「比較的調査が進んでいない最後の大きな恐竜の墓場」だという。

 なお、ナーストケラトプス・ティトゥシの「ティトゥシ」という名前は、今回の化石が見つかった場所があるユタ州南部のグランド・ステアケース・エスカランテ・ナショナル・モニュメントの古生物学者、アラン・タイタス(Alan Titus)氏にちなんでつけられた。

◆恐竜の多様性

 ナーストケラトプスが他のケラトプス科の恐竜と大きく異なる姿をしていたことは、白亜紀のララミディアに、遠い類縁関係にある2つの恐竜コミュニティが存在したことを示している可能性がある。

「タイムマシンに乗って7500万年前の北アメリカ大陸西部に行き、現在のユタ州南部からカナダのアルバータ州まで歩いて北上したら、途中で少なくとも2つの異なる系統の恐竜たちに遭遇するだろう」。そう話すラマンナ氏によると、このような地域差は他のグループの恐竜にも存在したという。

「しかし最近まで、このような緯度による恐竜の分布を裏付ける証拠はごく限られており」、その意味でナーストケラトプスの「発見は重要」だとラマンナ氏は評する。

 研究共著者のサンプソン氏も、「今回の発見はいくつかの大きな疑問と謎を提起した。恐竜の世界をわれわれはようやく理解しはじめたところだ」と述べている。

 今回の研究は、7月17日付で「Proceedings of the Royal Society B」誌に発表された。

Illustration courtesy Lukas Panzarin

文=Christine Dell'Amore

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