ビザンチン時代の教会型ランタン

2013.04.23
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ビザンチン帝国(東ローマ帝国)時代のワイン醸造所の近くで発掘された、教会型のランタン(4月4日撮影)。部屋の壁に光の十字架を映し出していたと思われる。

Photograph by David Buimovitch, AFP/Getty Images
 イスラエルほど地面を掘るたびに驚くべき歴史の断片が見つかる国はない。まさに最近、首都エルサレムの南西にある温泉の町、ハメイ・ヨアブ(Hamei Yoav)近くで、ビザンチン帝国(東ローマ帝国)の初期にあたる西暦500年頃の大規模なワイン醸造所が発掘された。 イスラエル考古学庁の専門家たちは、発見場所が同国南部のアシュケロンの港につながる古代の道沿いだったことから、ヨーロッパや北アフリカへの輸出用ワインを製造していたと考えている。

 現場では、宴会用の庭園の建設工事を中断して、まず発掘作業が行われた。その結果、80平方メートルを超える範囲から、6つの発酵室、ねじ式の圧搾機が置かれていた大きな部屋、沈殿用の大樽、ワインを集めておくための2つの穴を発見。これらは庭園の一部として生かされることになった。

 ビザンチン帝国時代の教会を模した、小さな陶磁器も同時に出土した。一塊のパンぐらいの大きさで、醸造所の所有者がキリスト教徒だったことを示唆している。完全な状態を保っており、その構造を見る限り、宗教的な用途で使われたランタンのようだ。模様が刻まれている屋根部や側面から光が漏れて、部屋の壁に十字架が映し出されていたと思われる。側面に開いている卵形の穴は、ランプを出し入れするためのようだ。

 アメリカ、ワシントンD.C.にあるハーバード大学ダンバートンオークス研究所の司書として、ビザンチン帝国を研究するデボラ・ブラウン(Deborah Brown)氏によれば、ミニサイズの教会は珍しいが、同時代のモザイク絵で前例があるという。

Photograph by David Buimovitch, AFP/Getty Images

文=Elizabeth Snodgrass

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