アレクサンドリアの北方、アブシールの発掘現場でポーズをとるエジプト最高考古庁事務局長のザヒ・ハワス氏。 2008年5月27日、ハワス氏は、アブシールのタップ・オシリス・マグナ神殿の発掘で大量の埋蔵品を発見したと発表した。その中には、クレオパトラの石膏胸像と、その恋人マルクス・アントニウスのものと思われる仮面もあった。

Photograph by Kenneth Garrett/NGS
 5月下旬、アレクサンドリア北方で発掘された大量の財宝の中に、クレオパトラの石膏胸像と、その恋人マルクス・アントニウスのものと思われる仮面が発見されたとエジプト最高考古庁が発表した。 今回の財宝は、アントニウスとクレオパトラの失われた墓を捜索しているエジプト最高考古庁のザヒ・ハワス事務局長が率いる調査チームにより、タップ・オシリス・マグナと呼ばれる巨大神殿で発見された。この神殿は、紀元前282~246年のプトレマイオス2世統治時代に建造されたアブシール遺跡の中にある。

 ナショナル ジオグラフィック協会付き探検家でもあるハワス氏は「調査チームは、胸像と仮面のほかにも、クレオパトラの顔が刻印された硬貨22枚とギリシャの女神アフロディテの銅像を発見した。また発掘現場の地下にある穴やトンネルから、ローマの支配から逃れようとしたキリスト教徒と思われる人骨も発見した」と語る。

 ただ、今回の発見をもってしてもタップ・オシリス・マグナに2人の墓があるとは断定できない。アフロディテの銅像が発見されたことにより、エジプト土着の文明とは異なるプトレマイオス朝の影響があったと考えられるが、墓の所在については異論を唱える専門家もいる。「クレオパトラの墓がこの地にあることを望む。もし見つかればツタンカーメン王の墓よりも重大な発見となるだろう」とハワス氏は言う。

 ハワス氏は過去2年間タップ・オシリス・マグナの発掘を続けており、約95%の発掘は完了している。発掘作業は現在中断されているが、11月には再開し、調査チームはレーダーを使って埋蔵物を調査する予定である。

Photograph by Kenneth Garrett/NGS

文=Mati Milstein