ベトナムの鮮やかなトカゲ、新種と判明

2013.01.17
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ベトナムの熱帯雨林などに生息する色鮮やかな新種トカゲ、カロテス・バカエ。

Photograph courtesy Peter Geissler
 ベトナムの熱帯雨林などに生息する色鮮やかなトカゲが、実は新種と明らかになった。 学名「カロテス・バカエ(Calotes bachae)」と命名された新種は長い間、ミャンマーやタイに生息する別の青いトカゲと同一視されていたという。遺伝解析とサイズやウロコなどの分析の結果、新種に属すると判明した。

 混同されていたのは、青い頭部が特徴のシロクチカロテス(学名:Calotes mystaceus)。ドイツのボンにあるケーニッヒ博物館・爬虫両生類学部門の博士論文提出資格者で、研究を率いたティモ・ハートマン(Timo Hartmann)氏によると、外見はほとんど同じで、詳しい比較もされていなかった。

 体長28センチ程度まで成長するカロテス・バカエのオスは、繁殖期になると体色が鮮やかに変化し、コバルトブルーや明るい青緑色になる。メスを引きつけたり、他のオスを威嚇する効果があるという。

 日中は非常に目立つが、夜になると暗褐色に変わる。「地味というほかない」とハートマン氏は説明する。

 カッティエン国立公園の平地やブギアマップ(Bu Gia Map)国立公園の深い熱帯雨林のほか、驚くことにホー・チ・ミン市中心部の公園でも暮らしていた。

 今回の発見は、カッティエン国立公園で実施された爬虫類と両生類に関する調査の成果だ。分析には、ベトナムのすべての両生類・爬虫類のデータを集めたDNAバーコーディングのデータベースを研究するロシアの専門家も参加した。

◆遺伝子と模様の相違

 DNAバーコーディングで特定の遺伝子マーカーを比較したところ、既存の種とカロテス・バカエには遺伝的な違いが多数あると判明した。共同研究者でロシア、モスクワ大学動物学部のニック・A・ポヤルコフ(Nick A. Poyarkov)氏は、「予想外の結果だったが、よくあるケースだ」と言う。

「カエルやトカゲの2つの種がよく似ているように見えて、遺伝的には大幅に違う場合は多い」。

 さらに研究を進めると、2つの種は肉眼でも見分けがつくとわかった。

 カロテス・バカエの背中には薄い茶色の斑点、顔にはヒゲのような黄色っぽい模様がある。一方、シロクチカロテスの背中は暗褐色の斑点で、ヒゲのような模様も白いという。「繁殖期になると特に違いがはっきりする」とハートマン氏は述べる。

 同氏は今回の結果から、未確認の新種がほかにもいると推測している。「東南アジアではこれからも新たなトカゲが多数発見されるはずだ」。

 論文は「Zootaxa」誌1月号に掲載されている。

Photograph courtesy Peter Geissler

文=Katia Andreassi

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