ペルム紀の大量絶滅では生物種の約90%が死滅した。このアンモナイトの仲間ゴニアタイトもその1つだ。右下は、ウナギに似た生物コノドントの三畳紀の化石。今回の研究で酸素同位体測定に用いられた。

Photograph by Vaughan Fleming, Photo Researchers;Image inset courtesy Yadong Sun
 ペルム紀(二畳紀)末から三畳紀初期にかけて生物が死に絶え、地球がほぼ不毛の地と化した大きな原因は、地球が文字通り“死ぬほど”暑かったからだとする最新研究が発表された。 今から2億5200万~2億4700万年前、地球はペルム紀末の大量絶滅と呼ばれる出来事に見舞われた。これによって、陸上植物を含む地球の生物のほとんどが姿を消した。その結果、地球の温度は上がり、生き残った赤道付近の生物たちも死に瀕した。

 植物は地球の温度を上げる二酸化炭素を吸収する。そのため、植物が死滅すると、地球は「暴走する温室」と化して「コントロールがきかなくなり」始めたと、研究共著者でイギリス、リーズ大学の古生物学者であるポール・ウィグナル(Paul Wignall)氏は言う。

 殻の硬い巻貝や二枚貝など、ペルム紀の大量絶滅を生き延びたわずかな生物もこの猛烈な暑さによって命を落とし、以来、地球は500万年の間ほぼ「死の世界」になったとウィグナル氏は述べる。

◆回復遅れの謎が解ける

 ウィグナル氏らの研究チームは、中国南部の浅い海から採取した小さな化石を調べた。そこは当時、赤道上に位置していたところだ。

 当時の海水温を知る「信頼性の高い」手がかりとなる化石の酸素同位体を調べたところ、ペルム紀直後(三畳紀初期)には海面温度が摂氏40度に達していたことが明らかになった。研究チームが致死的な暑さと評する高温だ。同じ領域における現在の平均温度は摂氏25~30度だ。

 この高温が、長らく研究者たちを悩ませてきた謎を解くカギかもしれない。地球は他の大量絶滅からは数十万年で回復したにもかかわらず、なぜペルム紀の大量絶滅では回復に500万年も要したのか、という謎だ。どうやら、単純に暑すぎたせいらしい。

◆最悪の世界

 同じことは再び起こるだろうか? 「理論的には起こりうる」とウィグナル氏は言う。

 NASAのゴダード宇宙科学研究所によると、地球の平均気温は、1880年から摂氏約0.8度上昇した。そのうち3分の2は、1975年以降に上昇した分だ。

 しかし、現在の温暖化傾向をもってしても「当時の深刻な状態に到達するにはまだまだ遠い」とウィグナル氏は述べる。というのも、そうなるにはまず地球の植物の大半が死滅しなければならないが、現在のモデルではまず起こらないシナリオだからだ。それでも、今回の研究結果は「世界がどれだけひどい状態になりうるか」を地質学的なタイムスケールで示していると同氏は語った。

 今回の研究は10月19日付で「Science」誌オンライン版に発表された。

Photograph by Vaughan Fleming, Photo Researchers;Image inset courtesy Yadong Sun

文=Christine Dell'Amore