米動物園の子パンダ、生後6日で死亡

2012.09.25
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
生後6日で亡くなった赤ちゃんパンダの母親「メイシアン」(美香)。2011年に飼育先のスミソニアン国立動物園で撮影。

Photograph by Matt McClain, Washington Post/Getty Images
 アメリカのスミソニアン国立動物園で23日、生後間もないジャイアントパンダの赤ちゃんが死亡した。死因はいまだに不明だが、死後の解剖によりいくつかの手がかりが浮かび上がっている。 生後6日半で亡くなった赤ちゃんパンダの腹部からは、通常では見られない液体が見つかったほか、肝臓にも異常があったと、主任獣医師のスーザン・マレー(Suzan Murray)氏はワシントンD.C.にある動物園内で行われた記者会見で述べた。

 死後行われた解剖の初期の結果として見つかったこれらの異常が、赤ちゃんパンダの死の原因かどうかは現段階では不明だ。

 遺体から採取された組織に関する詳しい検査は、10月第1週にも完了する見込みで、ここでさらなる詳細が判明するかもしれない。なお、赤ちゃんパンダの心臓や肺は外見上問題がないため、窒息死の可能性はないとみられている。

 9月24日午前に赤ちゃんパンダ死亡を発表した際、同動物園のデニス・ケリー(Dennis Kelly)園長は「我々にとって悲しいときだ」と語っている。しかし、現時点で集まっている情報に基づく限り、「我々が知っている範囲内で、この段階で打てる手立てはほかになかった」とも述べた。

 赤ちゃんパンダの母親の「メイシアン」(美香)はその後通常の飼育形態に戻り、竹を食べ、飼育係とも触れ合っているという。しかし、飼育場の中ではいまだにおもちゃをあやす仕草を見せているといい、動物飼育の専門家によれば、これは母親としての役割からまだ完全に脱していないことの現れだという。

◆非常に難しいパンダの繁殖

 パンダのメスは1年に1度しか排卵せず、妊娠可能時期が短いため、飼育環境下におけるパンダの繁殖は非常に難しい。また、生まれたばかりのパンダの赤ちゃんが早くに死んでしまうケースも多い。

 出生時、パンダの赤ちゃんの体重は100グラム強、大きさは棒状のバター1本分ほどと小さく、特に体重90キロある母親との比較では非常にか弱い存在だ。2006年には中国で、ジャイアントパンダの母親が生まれたばかりの自分の子どもを育児中に誤って押しつぶしてしまった事例もある。

 今回は赤ちゃんが死亡してしまったが、飼育環境下で順調に育っている子パンダもおり、パンダ自体の飼育個体数は着実に増加している。アトランタ動物園とサンディエゴ動物園では、過去13年間で少なくとも8頭のパンダを育てあげている。

 米中環境基金の保護団体「パンダマウンテン」による、中国四川省の臥龍(ウォロン)に設けられた自然保護区での取り組みも成果をあげている。

「科学者や獣医師の尽力により、この25年間で飼育環境下のジャイアントパンダの繁殖プログラムは大きく進歩した」と、パンダマウンテンの会長を務めるマーク・ブロディ(Marc Brody)氏は述べている。

Photograph by Matt McClain, Washington Post/Getty Images

文=Kate Andries in Washington, D.C.

  • このエントリーをはてなブックマークに追加