星団内の太陽型恒星に初の惑星発見

2012.09.21
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密集した星団内で明るい恒星に囲まれる巨大ガス惑星(想像図)。

Illustration courtesy Caltech/NASA
 星団に属する太陽型恒星の周囲に、初めて惑星が発見された。この発見は、惑星探索の範囲を広げる必要性を示すと同時に、地球よりはるかに明るい星空を持つ惑星のイメージをかきたてる。 新たに見つかった惑星「Pr0201-b」と「Pr0211-b」は、いずれも親星である恒星にごく近い軌道を公転している巨大ガス惑星、いわゆるホット・ジュピターであるため、非常な高温の環境となっており、われわれの知るような生命は存在できない。

 両惑星が属するのは、地球から約550光年離れたかに座のプレセペ星団。若い恒星1000個ほどからなる同星団は、アマチュア天文家の間で人気の観測対象となっている。

「天文学上の発見は常に興味深いが、今回の発見に関しては、小さな望遠鏡、何なら自分の指でもいいが、それを星団に向けて、あそこに惑星があるとはっきり言うことができる」と今回の研究を率いた天文学者のサム・クイン(Sam Quinn)氏は述べる。

 クイン氏の研究チームは、アメリカ、アリゾナ州にあるフレッド・ローレンス・ホイップル天文台の1.5メートル望遠鏡を使い、恒星53個の速度を計測することで、星団内に2つの惑星を発見した。

 観測の結果、2つの太陽型恒星に明らかな揺らぎ、いわゆるドップラー・シフトがみられた。これは、軌道を回る惑星の重力によって恒星がゆるやかに引き寄せられたり、引き離されたりすることで、恒星の光の波長がわずかに短くなったり、長くなったりすることで生じる変動だ。

 2つの太陽型恒星は年齢、質量ともにわれわれの太陽と同じくらいで、エネルギーを数十億年にわたって絶えず放出している。生命が存在可能な惑星の形成にもってこいの環境だ。

◆星団の惑星はありふれた存在?

 星団に属する太陽型恒星の周囲に、これまで一度も惑星が見つからなかったのはなぜか。それは、単に探索が不十分だったせいかもしれない。「惑星がそのようなところに形成されるかわからなかったため、これまで星団に望遠鏡を向ける研究グループは少なかった」とジョージア州立大学博士課程に在籍するクイン氏は述べる。

 また今回の発見は、たまたま珍しいものが見つかった事例ではないだろうとクイン氏は言う。プレセペ星団はそもそも非常にありふれた星団であり、われわれの銀河だけでも似たような星団は何千と存在する。

「われわれの研究成果は、星団に惑星があることは、(単独で存在する)恒星の周囲に惑星があるのと同じくらい一般的なことである可能性を示している。今後、惑星探索の目はもっと散開星団に向けられるようになるのではないだろうか」とクイン氏は述べている。

◆天体観測にうってつけの地球型惑星?

 新たに見つかった惑星の非常に規則的な軌道からうかがえるのは、星団内にある惑星系は安定している可能性が高いということだ。星団に属する恒星は、惑星の軌道を乱すほど互いに近い距離にはないようだとクイン氏は述べている。

 このような安定性は、星団の惑星系に属する惑星が地球のように比較的小さな岩石惑星である可能性を高める。そのような環境はおそらく生命が存在しやすく、少なくとも天体観測には間違いなく適しているだろう。

「プレセペ星団のような星団の中心部近くに存在する惑星では、星団に属する数百の恒星が肉眼で見られるだろう」とクイン氏は言う。その密度と近接性から考えて「地球の夜空で最も明るい星の数倍明るい星が数十個はあるだろう。間違いなく、星団の夜空はすばらしく明るく、美しいはずだ」。

 今回の研究成果は、先ごろ「The Astrophysical Journal Letters」誌に発表された。

Illustration courtesy Caltech/NASA

文=Andrew Fazekas

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