香港の地下に古代の超巨大火山を発見

2012.09.07
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
香港東部の九針群島(果洲群島)は地下に広がる古代火山の一部であることが発表され、多数の報道陣が詰めかけた(8月30日撮影)。この九針群島は火山から噴出した溶岩が凝固して形成されたという。陸地は一部分に過ぎず、溶岩の大半は海面下に隠れているか、はるか以前に浸食されてしまっている。

Photograph by Bobby Yip, Reuters
 中国当局は8月30日、香港の地下に古代の超巨大火山(スーパーボルケーノ)が存在すると発表した。ビクトリア・ハーバーを含む香港の大部分がその山域にあり、カルデラの直径は18キロにも及ぶという。火山全体は「糧船湾超巨大火山」と名付けられている。 かつては大規模な噴火が発生していたが、香港の住民にとって危険はない。香港特別行政区土木開発部(CEDD)によると、1億4000万年前に噴火し、大部分が海洋に崩れ落ちて以降は死火山になっているという。

「むしろ最も心配なのは、観光客がボートに乗り込み、湾内の岩石質の島に行くことだ。この島々には観光客用の設備は何もないので、上陸は控えた方がいい」と地質学者のデニス・タン(Denise Tang)氏は香港政府のテレビ番組で話している。

「今回の発見が特に重要視される理由は、火山噴出物が大量に確認されただけでなく、マグマ源も特定できたからだ」とタン氏は説明する。そのマグマ源は、香港島北部の花崗岩帯として残っているという。

 糧船湾超巨大火山のマグマが固まった柱状節理と呼ばれる石柱群は、香港東南部の多数の小島で確認できる。六角形が最も多く、三角形や七角形も存在する。小さな石柱の直径は10センチ程度だが、大型になると直径3メートル、高さ9メートルを超えるという。同様な石柱群は、アイルランドのジャイアンツ・コーズウェーや米ワイオミング州のデビルズタワーなどでも見られる。

 超巨大火山の噴火は極めて激しく、1回で1000立方キロメートル以上の溶岩が放出される。糧船湾超巨大火山の噴火も同レベルだった可能性があるが、1億4000万年前の最後の大噴火では、直径18キロのカルデラから噴出した火山灰や溶岩は約300立方キロと推定されている。それでも香港全体を覆ってしまうほどの量だ。

 一方、アメリカのイエローストーンにある超巨大火山は、約200万年前に2000立方キロ以上の溶岩を放出しており、はるかに大規模で危険性が高いと考えられている。

Photograph by Bobby Yip, Reuters

文=Richard A. Lovett

  • このエントリーをはてなブックマークに追加