消えていったオリンピックの競技種目

2012.07.27
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1992年のバルセロナオリンピック会場で、シンクロナイズドスイミング・ソロを練習するクリステン・バブ・スプレーグ選手。同種目でアメリカに金メダルをもたらしたが、シンクロ・ソロはバルセロナを最後に廃止された。(Photograph by Richard Mackson, Sports Illustrated/Getty Images)
 100年を超える近代オリンピックの歴史では、初期から現在まで変わらず実施されてきた競技種目に加え、新たに登場した種目がある中で、途中で姿を消してしまった種目も数多くある。 例えば、水泳競技のシンクロナイズドスイミング・ソロ(写真)は、1984年のロサンゼルスで正式種目となり、3回目の1992年バルセロナを最後に廃止された。一見矛盾を感じる競技名だが、シンクロの対象は他の選手ではなく音楽である。オリンピック以外の大会では引き続き競技されており、見た目の華麗さとは裏腹に驚異的な柔軟性とスタミナが求められる。

 近代オリンピック初期の頃には、今から見るとオリンピックとは思えないようなさまざまな競技種目も行われていた。

 その代表的な種目に綱引きがある。廃止された数々のオリンピック種目の中で、綱引きは例外的に人気が高く、1900年パリから1920年アントワープまで夏季オリンピックの花形の1つだった。国際オリンピック史学会(ISOH)の元会長ビル・マロン(Bill Mallon)氏は、「綱引きは本当に見ごたえのあるスポーツだ」と話す。

 陸上競技では、立ち幅跳び、立ち高跳び、立ち三段跳びも行われていた。これらは筋力と瞬発力以外に技術で競う面が乏しく、人気がなかったようだ。

 第1回の1896年アテネの水泳競技では、一般男子の100、500、1200メートル自由形の3種目に加え、100メートル自由形に「水兵の部」があった。

 万国博覧会の付属大会だった1900年のパリでは、空前絶後の数の公開競技が実施された。「あまりにも多くのイベントが開催され、どれがオリンピック種目か判断できないほどだった」とマロン氏は説明する。

 例えば熱気球レースは、飛行距離、飛行時間、既定の場所に着陸する正確性を競って行われた。機械の推進力を利用する競技の禁止に伴い、熱気球も五輪で実施されることはなくなった。

 今回のロンドンから実施されなくなった競技に、男子の野球と女子のソフトボールがある。ほかに廃止された球技としては、バスクペロタ(ハイアライ)、ジュ・ド・ポーム、ポロ、クリケット、ラグビーなどがある。

 また珍しいところでは、体操競技の綱登り、ウェイトリフティングの片手ジャーク、自転車競技の12時間耐久走なども挙げられる。

文=Kastalia Medrano

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