最古のハンドバッグ、犬の歯で装飾?

2012.06.28
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発掘された多数の犬の歯。布部分は分解されて消えているが、古代のハンドバッグの装飾として取り付けられていた可能性がある。

Photograph courtesy Klaus Bentele, LDA Halle
 世界最古のハンドバッグがドイツで発見された。持ち主は石器時代のファッションリーダーだったようだ。 発掘場所はドイツ東部の都市ライプチヒ近郊にある紀元前2500~2200年の墓地。100を超える犬の歯が緊密に並べられた状態で見つかった。

 調査の責任者を務めるザクセン=アンハルト州文化財保存考古学庁の考古学者スサンヌ・フリードリヒ(Susanne Friederich)氏によると、犬の歯はハンドバッグの外蓋(フラップ)の装飾として使用されていた可能性が高いという。

「年月の経過とともに皮か布の部分が消失し、歯だけが残った。歯の向きはすべて同じで、現代のハンドバッグのフラップ部分とよく似ている」と同氏は説明する。

 犬の歯はプロフェン(Profen)遺跡(約100ヘクタール)の発掘調査中に見つかった。この遺跡は2015年に露天掘り炭鉱になる予定である。

 300基以上の墓、何百点もの石器、槍の穂先、陶器、骨で作られたボタン、琥珀(こはく)のネックレスなどが多数出土。石器時代から青銅器時代の居住地域だったことを裏付けている。

 また、紀元前50年頃に約500グラムもの黄金の装身具と埋葬された女性の墓など、青銅器時代より後の遺物も大量に発掘されている。「出土品の中でもこのハンドバッグはひときわ特別だ。バッグの直接的な証拠を初めて提示することができた」とフリードリヒ氏は言う。

◆ワイルドファッション

 犬の歯で飾ったハンドバッグは珍しいが、石器時代の北ヨーロッパから中央ヨーロッパにかけては埋葬品として犬の歯が頻繁に使用されていたという。

 実際にこの一帯では大量の歯が墓から見つかっており、犬はペットや家畜だったとみられる。ハンドバッグのフラップ部分だけで数十頭分の歯が使用されていた。

 石器時代の他地域の墓からも、貝殻のほかに犬やオオカミの歯が並べられた状態で発見されている。亡骸を歯で装飾した布で巻いていたが、長い年月とともに布が分解してしまった可能性があるとフリードリヒ氏は話す。

 しかし、男女を問わず使用例として最も多かったのは髪飾りやネックレスだという。「当時はこれが非常におしゃれだったようだ。誰もがこのような副葬品とともに埋葬されたわけではない。一部の極めて特別な墓だけだった」と、ザクセン州考古学局(Saxon State Archaeology Office)のハラルト・ストイブレ(Harald Stauble)氏はコメントしている。

Photograph courtesy Klaus Bentele, LDA Halle

文=Andrew Curry in Berlin

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