スマトラ沖地震、原因は断層の横ずれ

2012.04.12
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津波警報を受けて高台に向かうインドネシア、バンダアチェの住民たち(4月11日撮影)。

Photograph by Heri Juanda, AP
 4月11日、インドネシア、スマトラ島沖で巨大地震が発生し、インド洋の広範囲に津波警報が一時発令された。2004年の津波で約17万人が死亡したアチェ州の街角はパニック状態となった。 今回、幸運にもインドネシアが津波に襲われなかったのは、地震の規模と海底の動きが主な原因だという。巨大な力と震源の位置が“これまでにない”地震を生み出していた。

 アメリカ地質調査所(USGS)は、本震のマグニチュードは8.6、直後の余震も8.2と発表。AP通信の報道によれば、アチェ州では病院にいた人々が素早く避難し、住民たちは車やオートバイで高台に逃げた。通りに出て家族の行方を心配する人もいたという。

 インド洋沿岸の複数の国が津波警報を出したが、大きな波は観測されず、数時間後に解除された。

 アメリカ、イリノイ州エバンストンにあるノースウェスタン大学の地球物理学者エミール・オカル氏は、「津波は1メートル以下だった」と述べる。「かなりの高さではあるが、大きな被害をもたらすほどではない」。

 2004年12月26日の津波は全く異なり、平均で10メートルの高さに達した。

◆震源とマグニチュードの影響

 オカル氏によれば、4月11日の地震が大津波を引き起こさなかった主な理由は2つあるという。

 まず地震の規模がマグニチュード8.6で、2004年の9.1より小さかった。

 さらに、今回の地震は「横ずれ型」だった。すれ違う2隻の船が互いの横腹をこするように、水平方向への動きが中心となる。一方、2004年は海底の広範囲が激しく突き上げられ、海水を大きく持ち上げた。「垂直方向の動きがあれば、巨大津波が襲ったはずだ」とオカル氏は分析する。

◆“非常に興味深い”地震

 オカル氏によれば、4月11日の地震は「沈み込み帯」で起きなかった点が興味深いという。沈み込み帯とは、プレートが別のプレートの下に沈み込み、マントルへ向かって進む場所のことだ。

 今回は最も近い沈み込み帯から約150キロの地点で起きた「プレート内地震」だった。多くの場合、マグニチュード6程度で済むとオカル氏は説明する。

 マグニチュード8.6はプレート内地震としては規模が大きく、「横ずれ型」の特徴も併せ持っていた。「非常に興味深い組み合わせだ」とオカル氏は指摘する。「新たな種類の地震と言える。スマトラ島沖でこれほどの規模で観測されたことはない」。

Photograph by Heri Juanda, AP

文=Ker Than

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