地中海東部、世界の津波危険地域

2012.03.09
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「世界で最も研究が遅れ、解明されていない沈み込み帯はヘレニック弧だ」と語るのはアメリカ、南カリフォルニア大学(USC)とギリシャの海洋研究ヘレニック・センター(HCMR)で土木工学を研究するコスタス・シノラキス氏。地中海には、エーゲ海を取り囲むようにヘレニック海溝が延びている。アフリカプレートがエーゲ海プレートに沈み込む断層帯で、ギリシャ南部、トルコへと伸びる弓のような姿からヘレニック弧と呼ばれている。

Photograph by Scott S. Warren, National Geographic
「世界で最も研究が遅れ、解明されていない沈み込み帯はヘレニック弧だ」と語るのはアメリカ、南カリフォルニア大学(USC)とギリシャの海洋研究ヘレニック・センター(HCMR)で土木工学を研究するコスタス・シノラキス氏。地中海には、エーゲ海を取り囲むようにヘレニック海溝が延びている。アフリカプレートがエーゲ海プレートに沈み込む断層帯で、ギリシャ南部、トルコへと伸びる弓のような姿からヘレニック弧と呼ばれている。 キプロス島南部の湾岸都市レメソス(写真)を含む一帯も地震危険地帯に位置する。過去2000年間で地中海東部は2度の巨大地震に襲われた(西暦365年と1303年)。エネルギーはどちらもマグニチュード8.5を超え、大津波も発生していたと考えられる。

「365年の津波によってエジプトの古代都市アレクサンドリアは壊滅した。現在のエジプトも津波の脅威と無縁ではないはずだ」とアメリカ、ノースウェスタン大学の地球物理学者エミール・オカル氏は言う。

 シノラキス氏も次のように述べる。「地中海における津波の発生頻度は100年に平均1~2回だが、対策は非常に脆弱だ。地中海地方の人口は沿岸部に集中しており、夏には多数の観光客が訪れる。次に巨大津波が襲来したら甚大な被害を受ける恐れがあるが、防災意識は甘く警報センターもない」。

Photograph by Scott S. Warren, National Geographic
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