タワー式、スペイン太陽熱発電

2012.02.28
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太陽の光が降り注ぐスペイン南西部の大地は、巨大な太陽熱発電プロジェクトに最適の条件を備えている。政府から手厚い補助金も提供され、アンダルシア州やエストレマドゥーラ州などは太陽熱発電産業にとって天国のような土地だった。

Photograph by Markel Redondo, Fedephoto, for Greenpeace
 太陽の光が降り注ぐスペイン南西部の大地は、巨大な太陽熱発電プロジェクトに最適の条件を備えている。政府から手厚い補助金も提供され、アンダルシア州やエストレマドゥーラ州などは太陽熱発電産業にとって天国のような土地だった。 しかし、その状況は長続きしなかった。太陽熱発電市場が過熱する中、世界規模の金融危機が発生し、スペイン政府は再生可能エネルギーに対する補助金の大幅削減を決定。最盛期の2008年には、世界中の太陽熱発電施設の40%が同国内で導入されていたが、地中海の太陽を利用する発電ブームは突然“運命の逆転”を迎えることになった。

 しかし、イベリア半島で育まれた技術は新たな土地への広がりを見せている。スペイン企業は、これまでに培ってきたノウハウを、アメリカや中南米、ほかのEU諸国に向けて輸出しようと取り組み始めている。

 アメリカは1970年代のエネルギー危機の後、モハベ砂漠で試験的なタワー式太陽熱発電施設を開発していた。しかし30年後の現在、スペインとの差は歴然となった。2007年3月、スペイン南部セビリアの西方20キロの町サンルーカル・ラ・マヨールで、世界初の商用タワー式施設「PS10(Planta Solar 10)」(写真)の操業が開始されたのである。頂上部で太陽光を集光する中央タワーは高さ115メートル。5500世帯分の電力を生み出し、加圧水による蓄熱システムで最大半時間分のエネルギーを貯蔵することができる。

 集光型太陽熱発電(CSP)プラントは、水蒸気でタービンを回し発電する。反射鏡を円形に配置して太陽光を中央タワーに集めるタワー式は効率が良く、エネルギー貯蔵技術も組み込みやすいとされている。

 遠くからタワープラントを見ると、まるでハイテク版ミステリーサークルあるいは奇妙な円形劇場のようだ。間近まで行けば、中央の光り輝くタワーに向かって咲く巨大な“メカヒマワリ”の農場に見える。

Photograph by Markel Redondo, Fedephoto, for Greenpeace
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