ケプラー9系の想像図。土星に似た2つの惑星が恒星の周りを公転している。

Image courtesy ESA/NASA
 1月26日、NASAのケプラー宇宙望遠鏡チームは11の惑星系で新たに26個の太陽系外惑星を確認したと発表した。複数の天体が恒星の手前をトランジット(通過)する惑星系は、これで確認数が3倍に増えた。 ケプラーのデータに基づく新たな研究成果によると、今後は多惑星系の発見が増加するという。惑星が1つしかない系より、はるかに誤検出の可能性が低いからだ。

「1つの系に複数の惑星候補があれば、すべて本物と見てまず間違いない」とアメリカ、マサチューセッツ州ケンブリッジにあるハーバード・スミソニアン天体物理学センター(CfA)の天文学者で研究を共著したエリザベス・アダムズ(Elisabeth Adams)氏は言う。

「惑星候補を複数持つ系はケプラーのデータで170個発見されている。惑星の数は408個だが、“はずれ”は1つか2つだろう」。

 今回の研究では、天の川銀河に多惑星系が多数存在する証拠が積み上げられた。しかし、マサチューセッツ工科大学(MIT)で系外惑星を研究するサラ・シーガー(Sara Seager)氏は発表に対し、「肝心の太陽系型惑星系の数については何もわかっていない」と指摘している。

◆惑星候補が多いほど信憑性が高い

 ケプラーは宇宙の一領域を対象に、天体のトランジットで引き起こされる恒星の明るさのわずかな減少を検出し、系外惑星候補を発見する。

 ただし、トランジットを観測するだけでは惑星の存在を証明できない。小型の恒星がはるかに大きな近隣の恒星を横切るなど、その他の現象でも主星の明るさが定期的に減少する可能性がある。「ケプラーでは、連星の食現象と惑星のトランジットの区別がつかない」とアダムズ氏は述べる。

 従来、発見された系外惑星候補の真偽は、質量を測定する方法で検証されてきた。しかしケプラーが発見した候補数は数千に上るため、この方法では時間がかかりすぎる。

 今回、アダムズ氏のチームは統計分析を実施し、1つの惑星系で複数の誤検出が起こる可能性は極めて低いと確認。惑星系に複数の惑星候補がある場合、真偽の検証は基本的に不要だと主張する。

 アダムズ氏は、「惑星は多様なプロセスで形成される。1つあれば、他にも存在する可能性が極めて高い」とも語る。1つの系に惑星候補が多いほど、すべてが本物である可能性が高くなる。「同じ惑星系で誤検出が3つも4つも起こる確率は、すべてが本物である確率よりはるかに低い」。

◆共鳴関係も有力な証拠

「多惑星系発見の確証は、公転周期の比が“2:1”、“3:2”、“4:3”ならさらに高くなる」と、カリフォルニア州にあるNASAエイムズ研究センターの天文学者で研究主任を務めたジャック・リッサウアー(Jack Lissauer)氏は話す。

 いずれかの周期比なら軌道共鳴の状態と考えられるからだ。太陽系の海王星と冥王星にも見られる現象で、主星を公転する2つの天体が周期的に重力を及ぼし合う。

「共鳴関係にある惑星同士は、予測可能なパターンで互いに摂動を与える場合が多い。それによって公転周期が変化すれば、トランジットのタイミングもずれる」とリッサウアー氏は説明する。惑星が主星の手前を定期的に横切る際、わずかな加速や減速があれば、ケプラーで検出が可能だ。

◆時間の節約につながる

 MITのシーガー氏は新たに提案された手法について、増え続ける惑星候補をふるいに掛ける便利な統計ツールと評価する。「候補を1つ1つ検証する時間はないし、質量の測定は技術的に難しいケースもある。この手法なら、多くの候補をまとめて検証可能で、誤認のリスクも少ない」。

 今回の研究成果は、「Astrophysical Journal」誌の次号に掲載される予定である。

Image courtesy ESA/NASA

文=Brian Handwerk