フィリピンの首都メトロ・マニラで、炭をふるいにかけ廃品市場で売る釘を探す幼い子ども。マスクや手袋はおろか、ときには靴も履かないという。夕方になると、すすを洗い流すために汚い海に飛び込む子もいる。

Photograph by Lisa Wiltse
 フィリピンの首都メトロ・マニラで、炭をふるいにかけ廃品市場で売る釘を探す幼い子ども。マスクや手袋はおろか、ときには靴も履かないという。夕方になると、すすを洗い流すために汚い海に飛び込む子もいる。 スラムが集中するマニラ北西部「トンド」のウリンガン(Ulingan)地区に住み、廃材から炭を作って生計を立てる家族の多くは、1日に70ペソ(約130円)の収入しかない。フィリピンの最低賃金1日あたり約400ペソ(約700円)をはるかに下回っている。子どもたちが集める釘は1日分でわずか20~30円だ。

 粗悪な米1キロが買えるかどうかの稼ぎしかない日は、パグパグ(大型のごみ容器や廃棄物の山から拾ったファストフードの残飯)に頼る。残飯から汚れを払う日常から、タガログ語の「パグパグ(pagpag)=振り落とす」という言葉はすっかり定着した。

 炭焼きの原料にする未加工の木材を買うために、高利貸から法外な金利で借金する家族もいる。

 だが、都会の貧困層にとって、木材はゴミ捨て場や解体工事現場から豊富に入手できるケースが多い。国連食糧農業機関(FAO)によると、東南アジア全体では、木質燃料の10~50%が森林の樹木から作られている。残りは建築廃棄物、枯れ木、切り株など森林以外の資源だという。

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