紅海に新島、新たな観光地に?

2012.01.20
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1月15日撮影の衛星画像で確認された新島(写真中段やや左)。

Image courtesy EO-1/NASA
 新年を祝うように、紅海における海底火山の活動によりイエメン沖60キロの海中に新たな島が誕生した。 現時点でまだ名前のないこの陸塊は、2011年12月23日に撮影されたNASAの衛星写真に初めて登場した。翌2012年の1月7日の時点では、幅530メートル、長さ710メートルにまで大きくなっていた。1月15日までにこの島を作り出した海底火山の噴火は沈静化したと、NASAのWebサイト「Earth Observatory」は報告している。

 恒久的な新島の誕生は、1963年にアイスランドで海底火山の噴火により誕生したスルツェイ島以来となる。しかし専門家によれば、火山地帯として知られるアイスランドに対し、今回のような紅海での火山噴火はかなりの予想外だったという。

「紅海の海底全体がプレートの境界線上に位置しているのだが、我々はこの点を忘れがちだ」と、ロードアイランド大学所属の火山学者、ハーラル・シグルザルソン(Haraldur Sigurdsson)氏は指摘する。

◆灼熱の不毛の島が観光資源に?

 この火山は、火山群で構成されるズバイル諸島(Zubair Group)の一部だが、シグルザルソン氏によれば、これらの火山では100年以上前の記録を最後に、噴火は確認されていなかったという。

 ズバイル諸島の火山活動はそれほど活発でないが、「これらの島々は面積も狭く、ほぼ不毛の地で、非常に乾燥していて暑い」と、シグルザルソン氏は電子メールに書いている。

 実際、その暑さと不毛の地であることから、現在すべての島は無人状態だ。

 一方、アイスランドのスルツェイ島は、「降水量が豊富で、植物、鳥類、昆虫類、アザラシなどが住み着いている。現在の気候を見る限り、ズバイル諸島が今後、この段階にまで到達するかどうかは疑わしい」とシグルザルソン氏は述べている。

 むしろ、今回誕生した新島は観光名所になる可能性があるというのが、シグルザルソン氏の見方だ。地球上で最も新しい陸地の上を歩くという、他では味わえない体験が観光客へのアピールポイントになるというのだ。

「草木も生えず、自然のままの荒れた土地に足を踏み入れた観光客は、濃い灰色から茶色にかけての色合いを見せる火山灰の山と、冷えた溶岩流のごつごつとした塊が風景のほとんどを占める様子を目の当たりにするだろう」と、シグルザルソン氏は新島の様子を描写した。

Image courtesy EO-1/NASA

文=Richard A. Lovett

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