渡り鳥の編隊飛行、未来の旅客機技術

2011.11.10
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アメリカ、ニュージャージー州の上空で、4機の社用ジェット機が密集隊形で飛行している(撮影日不明)。イギリス機械学会(IMechE)がまとめたレポートによると、国際便や長距離便では、V字型の編隊を組むことで燃料を最大12%節約できる可能性があるという。

Photograph by Paul Bowen, Science Faction/Getty Images
 アメリカ、ニュージャージー州の上空で、4機の社用ジェット機が密集隊形で飛行している(撮影日不明)。イギリス機械学会(IMechE)がまとめたレポートによると、国際便や長距離便では、V字型の編隊を組むことで燃料を最大12%節約できる可能性があるという。 カナダガンなどの鳥類は長距離の渡りに出る際、この方法で体力の消耗を抑えている。飛行時の鳥の後方では、羽根を伝った空気が“渦”を発生させる。空気の渦は単独飛行では抵抗にしかならないが、集団で編隊を組めば後続の鳥たちの揚力となる。結果として群れ全体が受ける空気抵抗が低減されるのである。

 航空機での編隊飛行の方法は、以前から模索されてきた。しかし接近飛行時に十分な安全性を確保できるよう、機体同士の横方向の距離を適切に算出することが難しいという。

「縦方向の間隔や、地上との距離については、優れた測定機器が揃っている」と、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)に所属する運輸政策専門家デイビッド・ギレン氏は話す。「横方向についてもかなり研究が進んではいるが、まだ不確実な点が残っている」。

 一方、IMechEレポートの筆頭著者であるフィリッパ・オルダム(Philippa Oldham)氏は、編隊飛行技術は実現間近だと考えている。「航空電子工学は進歩している。リモートセンシング式の赤外線カメラを使えば、前方を飛ぶ機体の追尾もほぼ可能だ」。

 同氏によると、編隊飛行は特に長距離でのメリットが大きいという。「例えばロンドン発の複数の航空便が、離陸後に大西洋上を編隊で飛行すれば、全機の燃費が向上する。海を渡った後はニューヨークやボストンなど、各機がそれぞれの目的地に向かっていけばいい」。

Photograph by Paul Bowen, Science Faction/Getty Images
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