“内股”の肉食恐竜、巨大足跡を発見

2011.10.11
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新たに発見されたアクロカントサウルス・アトケンシスの足跡。“水かき”がなかったことが判明している。

Photograph courtesy Russell Cothren, University of Arkansas
 アメリカのアーカンソー州南西部で、泥の中を歩いた恐竜の足跡化石が発見された。フットボール競技場2面分の長さで続いており、その配置から推測すると、巨大な捕食動物はやや“内股”で歩いていたようだ。 複数の種の足跡が1億2000万年前の白亜紀の石灰岩層に残っており、地球上に存在した最大級の捕食動物で体重8トンのアクロカントサウルス・アトケンシス(Acrocanthosaurus atokensis)や竜脚類(首の長い草食恐竜)などが含まれている。

アーカンソー州フェイエットビルにあるアーカンソー大学の地球科学者スティーブン・ボス氏は、「当時のアーカンソーは広い泥の平地で、現在のペルシャ湾付近の高温で乾燥した塩分の多い海岸と似ていた。“住み心地のいい場所”ではなかっただろう」と話す。

アクロカントサウルスのような捕食動物は竜脚類などの獲物を狙って来たと見られるが、「なぜそこに竜脚類が生息していたのかは不明だ」。

ボス氏によると、恐竜の足跡は北米大陸各地で見つかっているが、アメリカ南部では珍しい。恐竜化石といえば、西部のコロラド州やユタ州などを思い浮かべる人も多いだろう。「アーカンソーに住む恐竜なんて誰も考えない。だが、この足跡が証拠だ」とボス氏は語る。

◆内股の肉食恐竜?

足跡は最近になって一般市民に発見された。暴風雨で頁岩(シェール)の薄い層が洗い流された後で露出したようだ。「形状や石灰岩の年代から、恐竜の足跡と見て間違いないだろう」とボス氏。まだ研究は発表されていない。

メリーランド大学の古脊椎動物学者トーマス・R・ホルツ・ジュニア氏は、「写真を見る限り、明らかに獣脚類の足跡だ」とメールでコメントを寄せた。獣脚類は2本足の捕食動物で、ティラノサウルス・レックスが有名だ。

「アクロカントサウルスの足跡はテキサス州で既に見つかっている。テキサス、オクラホマ、メリーランドの各州ではアクロカントサウルスや近縁種の化石も発見されている。アーカンソー州にも生息していたことはほぼ確実だ」とホルツ氏は述べる。

「足跡は複数の恐竜が残し、すぐに埋まってしまったようだ。長期間露出していれば、侵食で見分けがつかなくなっていただろう」と研究チームのボス氏は話す。

◆レーザースキャンで解明

ボス氏のチームは高解像度のレーザー装置で足跡をスキャンした。デジタルデータに保存すれば、コンピューターで詳細な分析が可能になる。

足跡の長さは約60センチ。アクロカントサウルスの足の形などの解明にもつながるはずだ。

既にスキャンデータから、3本指のつま先に“水かき”がなかったことが判明している。骨格化石だけでは不可能な発見だ。

動きをシミュレーションしてみれば、どんな歩き方だったかも正確にわかるだろう。「一番驚いたのは、足が内側に向いている点だ。やや内股で歩いていたのだろう」とボス氏は話している。

Photograph courtesy Russell Cothren, University of Arkansas

文=Christine Dell'Amore

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