海への生贄か、チムー王国の遺跡発掘

2011.09.27
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2011年9月、ペルー北部の漁村ワンチャキート(Huanchaquito)に近い砂丘で、42体の子どもの骨が発掘された。800年前のチムー王国時代に埋葬されたと考えられ、浅い地中から見つかったという。

Photograph by Mariana Bazo, Reuters
 2011年9月、ペルー北部の漁村ワンチャキート(Huanchaquito)に近い砂丘で、42体の子どもの骨が発掘された。800年前のチムー王国時代に埋葬されたと考えられ、浅い地中から見つかったという。 付近には、ラクダ科の動物76頭の骨も埋まっていた。リャマの可能性が高いが、アルパカとも考えられる。犠牲になった子どもたちを死後の世界に運ぶ意図があると研究者たちは推測している。

 子どもたちはチムー王国の宗教儀式で殺されたのではないかと、考古学者オスカー・ガブリエル・プリエト氏(写真)のチームは考えている。高度な灌漑技術で知られるチムーは1100年から1500年ごろまで、ペルー北部から中部の沿岸で繁栄していたが、インカ帝国に征服されて滅亡した。

 今回見つかった共同墓地は、チムーの首都だったチャン・チャンから1キロほど離れている。アメリカ、イェール大学の大学院生であるプリエト氏は、「興味深い点だ。チムーの宗教儀式や生贄の痕跡は、チャン・チャン遺跡に限られていた」と話す。

「チムーの人々は、儀式のために海の近くまで出向いていたに違いない」。子どもと動物は豊穣を祈る儀式で海に捧げられた可能性があるという。「ペルー北部の沿岸では、海が農業と非常に強く結び付いていた。海水温によって降雨量が左右されるためだ」。

Photograph by Mariana Bazo, Reuters
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