カート、違法薬物と環境・資源問題

2011.08.29
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水や開発の専門家によると、イエメンは帯水層が枯渇する最初の国になる可能性がある。安定した水源を失いかねない大きな原因の一つが、カートという植物の栽培だ。その葉には穏やかな覚醒作用があり、イエメンでは最も重要な現金作物である。世界銀行によると、カート栽培でイエメンの地下水の30%が消費されているという。農家はコーヒーやブドウより利益が見込めるカート栽培に乗り換えており、世界銀行は生産量の増加を予想している。

Photograph by Ed Ou, Getty Images
 水や開発の専門家によると、イエメンは帯水層が枯渇する最初の国になる可能性がある。安定した水源を失いかねない大きな原因の一つが、カートという植物の栽培だ。その葉には穏やかな覚醒作用があり、イエメンでは最も重要な現金作物である。世界銀行によると、カート栽培でイエメンの地下水の30%が消費されているという。農家はコーヒーやブドウより利益が見込めるカート栽培に乗り換えており、世界銀行は生産量の増加を予想している。 地下水の汲み上げは、化石燃料の消費につながる。カートが栽培されている農村部では、ディーゼルエンジンを動力源とするポンプで灌漑しているからだ。国際開発を専門とするコンサルタントで、イエメンでの豊富な経験を持つカイル・フォスター氏は、「エンジンは24時間動き続けている」と話す。「どこにいても、遠くからエンジン音が聞こえてくる。残念ながら、それは帯水層が失われていく音でもある」。

 イエメン政府は、ポンプで灌漑を行う農家に対して補助金を支給している。これでは燃料節約や水の保護には逆効果だと、専門家は口をそろえる。燃料の軽油は安価な状態が続いたが、首都サヌアにあるサヌア大学の水・環境センター副所長ナイフ・アブ・ロホム(Naif Abu-Lohom)氏によると状況に変化が出ている。アリ・アブドラ・サレハ大統領への抗議行動が6カ月以上続き、混乱や暴力が拡大する中、燃料価格が上昇しているという。コスト上昇がカート栽培を抑制するという考え方もあるが、アブ・ロホム氏は懐疑的だ。「カートの需要圧力は非常に強い。軽油代が上昇しても、農家は市場価格を引き上げれば済む」。

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