覚醒剤、違法薬物と環境・資源問題

2011.08.29
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大麻草の室内栽培と同様に、覚醒剤「メタンフェタミン」の製造にも多大なエネルギーが消費されている(写真はアメリカ、カリフォルニア州の摘発現場で撮影)。市販の風邪薬の錠剤をナフサに浸して、メタンフェタミンの原料となる純粋なエフェドリンとプソイドエフェドリンに分解する手法が一般的だ。ナフサは、キャンプ用の燃料(ホワイトガソリン)としてアウトドア用品店で広く販売されている石油化学製品である。

Photograph by Brian Drake, The Appeal Democrat/AP
 大麻草の室内栽培と同様に、覚醒剤「メタンフェタミン」の製造にも多大なエネルギーが消費されている(写真はアメリカ、カリフォルニア州の摘発現場で撮影)。市販の風邪薬の錠剤をナフサに浸して、メタンフェタミンの原料となる純粋なエフェドリンとプソイドエフェドリンに分解する手法が一般的だ。ナフサは、キャンプ用の燃料(ホワイトガソリン)としてアウトドア用品店で広く販売されている石油化学製品である。 製造には、塩素系のパイプ洗浄剤やアルカリ液など有毒な成分を添加する必要がある。アメリカ環境保護庁によれば、密売目的でメタンフェタミンを100グラム製造すると、500~600グラムの毒性廃棄物が発生する。その多くは下水溝や地中へと流れ込み、長期間にわたり残存するという。

 メタンフェタミン製造が蔓延する農村地帯の多くで、公衆衛生の問題が発生している。製造現場の煙を吸うと呼吸器系疾患などの健康問題につながるのはもちろんだが、周辺地域にも影響は出ている。例えばサウスダコタ州では、排水溝や路肩を清掃するボランティア団体に対し、廃棄された毒性物質に注意するよう呼び掛けている。

 メタンフェタミンと同様に、MDMA(錠剤型合成麻薬、通称「エクスタシー」)の密造も天然資源を消費する。カンボジアでは、合成麻薬の原料となるサフロールの抽出を目当てに、センダン科の木(学名:Dysoxylum loureiri)が伐採されている。また、蒸留工程を含む抽出作業では、大量の木材が燃やされる。カンボジア政府と協力関係にあるオーストラリア連邦警察によると、ある犯罪組織は900トン以上の原木を2008年に伐採。他の原料化学物質と合わせて最終的に2億6000万錠、末端価格にして76億ドル(約5800億円)以上に相当する合成麻薬を密造したと見られている。

Photograph by Brian Drake, The Appeal Democrat/AP
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