テキサス州と南極大陸は地続きだった?

2011.08.17
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南極大陸の氷床から露出した山の頂(資料写真)。

Photograph courtesy Ian Dalziel
 約11億年前、現在のアメリカ南部、テキサス州エルパソと南極大陸は隣接していた可能性があるという。エルパソはテキサス州最西端の都市で、チワワ砂漠の北限にあたる。 この研究結果を発表したのはカリフォルニア州立大学ベーカーズフィールド校の地球化学者ステイシー・ローウィ(Staci Loewy)氏のチーム。数十年前からパンゲア以前の超大陸を研究しており、各地に分散した痕跡を集めてつなぎ合わせた結果、地続きだった可能性が浮上したという。「パンゲアは約3億年前に形成された超大陸。ほぼすべての大地が地続きで、教科書にも出ている」とローウィ氏。

 約2億2500万年前、プレートテクトニクスに関連する地殻変動でパンゲアは分裂を始めた。やがて陸塊が拡散して、現在のような大陸の配置になったという。

 パンゲアの元の形は、太古の地質学的パターン(山脈など)をたどって再構成できる。例えば北米東部のアパラチア山脈は、イギリスやスカンジナビアの山脈と地質学的な関係がある。

 しかしローウィ氏によれば、「より古い山脈を調べると、さらに昔に存在した超大陸の影が見え隠れする」という。

 発見された地質学的特徴の一部は、ロディニア大陸が残した痕跡らしい。パンゲア以前に世界のほとんどの陸塊が集まって形成された超大陸で、約11億~7億5000万年前に存在したと考えられている。

◆意外な組み合わせ

 ローウィ氏ら研究チームは、カナダからテキサス州まで走っている太古の火山帯「北米大陸中央地溝帯系(North American Mid-continental Rift System)」で岩石を採取した。

 テキサス州は、現在の北米大陸が約11億年前に分裂を始めた場所で、この地溝帯系の南端にはエルパソに近いフランクリン山脈が連なっている。

 チームはウェッデル海に面する東南極コーツランドの山々からもサンプルを採取し、北米の岩石と比較。年代と鉛同位体比が一致し、同じ地溝帯産の火山岩と判明した。ただし「山々から採取」と言っても、コーツランドではほとんどが氷床の下に埋まっており、2つの山頂がわずかに顔を覗かせるだけだったという。

 調査結果から、現在は遠く離れている2地域は、太古の昔に地続きだったと考えられる。「テキサス州西部と南極はかつて隣接していた。砂漠と氷河という現状からは想像しがたい意外な組み合わせだ」とローウィ氏は言う。

◆超大陸の誕生に周期性

 一方で、別の超大陸についても同様の調査が進められている。「ロディニア以前の超大陸を示唆する研究も発表されている。例えば18億年前から15億年前にかけては、コロンビア大陸が存在したらしい。26億年前から24億年前にも、別の超大陸が存在した可能性がある。誕生には周期性があるのかもしれない」とローウィ氏は話している。

 この調査結果は、「Geology」誌オンライン版に8月5日付けで掲載されている。

Photograph courtesy Ian Dalziel

文=Richard A. Lovett

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