カイパーベルトで新たな準惑星を発見か

2011.08.10
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カイパーベルト内にある惑星型の天体(想像図)。

Illustration courtesy Dana Berry, Kepler/NASA
 冥王星の近くで比較的明るい天体が3つ発見された。新たな準惑星の可能性があるという。 3つの天体は、カイパーベルトのほとんど調査されていない部分に存在する。カイパーベルトは太陽系の天体密集領域で、海王星軌道の外側から始まり、太陽から82億キロの距離まで広がっている。

 天体を発見したのはアメリカ、カーネギー研究所の天文学者スコット・シェパード氏のチーム。チリ、ラスカンパナス天文台の口径1.3メートルのワルシャワ大学望遠鏡(Warsaw University Telescope)を使用した。

 北半球から観測できるカイパーベルトはかなり研究されている。一方、南半球からの調査は、最近まで適切な装置がなく進んでいなかった。

 今回の調査では、14個の天体が新たに発見された。チームによると、そのうち3つはおそらく準惑星に認定できるほどの大きさがあるという。現時点で準惑星と認められているのは冥王星、エリス、ケレス、ハウメア、マケマケである。

 カリフォルニア工科大学の天文学者マイク・ブラウン氏は南半球からの観測について、「ついにやってくれたという気持ちだ。天文学にとって必要なステップだ」と歓迎する。同氏は今回の調査には参加していない。

◆準惑星にしても小さい

 国際天文学連合(IAU)の定義には、準惑星は太陽を周回し、自身の重力によってほぼ球形を保つだけの質量を持つ天体とある。また、近くに小さな惑星型の天体が存在する、つまり、ほかの天体を取り込んだり、はじき飛ばしたりしていないことも必要だ。

 シェパード氏らは発見した天体の反射率を測定し、それぞれの大きさを導き出した。最大は直径620キロと推測されている。すべて球形を保てる質量だが、サイズは準惑星の基準からしても小さい。

 冥王星とエリスは直径2300キロほどで、最も小さいケレスでも約900キロである。また、遠くの小天体なので球形かどうかは確証がない。現時点では準惑星への認定は難しい状況だ。

◆南の空に冥王星と同等の準惑星はない?

「大きさや明るさでは、同等の天体がカイパーベルトには多数存在する」とカリフォルニア工科大学のブラウン氏は語る。実際、明るさが同レベルの天体は37個ある。

 それでも、この調査は太陽系の未解明領域を解明する上で意義があるらしい。調査を率いたシェパード氏は次のように述べる。「大型天体の数が判明したので、カイパーベルトの天体の総数を推測できるようになった。どんどん知識を深めることが重要だ」。 例えば、南半球からの観測では、ベルトに冥王星と同等の大きな天体は存在しない。

 ただし、ブラウン氏は、「カイパーベルトの外側で新たな準惑星候補が見つかる可能性は常にある」と指摘する。例として、太陽から平均143億キロの軌道を周回するセドナを挙げている。

 研究の詳細は、「Astronomical Journal」誌への掲載が決まっている。

Illustration courtesy Dana Berry, Kepler/NASA

文=Rachel Kaufman

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