宇宙ゴミ、軌道上に1万8千個以上

2011.06.30
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6月28日、古川宇宙飛行士が滞在する国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙ゴミが250メートルの距離まで接近し、ISS滞在中の宇宙飛行士たちが宇宙船ソユーズに一時避難した。今回は事なきを得たが、地球上空の軌道には主なものだけで約1万8000個の宇宙ゴミが確認されている。画像はそのイメージ。

Illustration from European Space Agency via AP
 6月28日、JAXAの古川聡宇宙飛行士が滞在する国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙ゴミが250メートルの距離まで接近し、ISS滞在中の宇宙飛行士たちが宇宙船ソユーズに一時避難した。今回は事なきを得たが、地球上空の軌道には主なものだけで約1万8000個の宇宙ゴミが確認されている。 ISSと宇宙ゴミの衝突の危機は2009年3月12日にも起きており、今回が2度目のケースとなる。その際も国際宇宙ステーション(ISS)のクルーが同ステーションを自動操縦に切り替え、“救命ボート”としての役割を持つ宇宙船ソユーズに一時避難するという措置が取られていた。ソユーズは小型の宇宙船で、居住空間は4立方メートルしかないが、降下時に使用する生命維持装置と電源のほか、パラシュート(予備含む)や着陸用ロケットも搭載されている。

 宇宙ゴミは“space debris”の訳語。debrisはフランス語で、がらくた、残骸、瓦礫などを意味する。軌道上をさまよっているため軌道デブリとも呼ばれる宇宙ゴミは、具体的には、寿命が尽きて放棄された人工衛星のほか、破損した人工衛星の欠片、分離したロケットのステージ、宇宙飛行士の固形排泄物、その他のさまざまなもの(1965年の歴史的な宇宙遊泳で宇宙飛行士エドワード・ホワイトがなくした手袋など)がある。

 知られている中で最古の軌道デブリは、1958年に打ち上げられたアメリカの試験衛星ヴァンガード1号で、1964年にすべての機能を停止したがいまだに軌道上にある。最も新しいものの1つとしては、2009年2月10日、アメリカとロシアの人工衛星が衝突し、500を超える破片が宇宙にまき散らされた。

 人工衛星と同じように、低軌道デブリは時速2万7000キロ以上の高速で地球の周りを移動している。そのような超高速度のため、微細なゴミであっても、稼働中の人工衛星や宇宙探査機、宇宙遊泳中の宇宙飛行士に衝突すれば衝撃は大きく、深刻な被害をもたらしかねない。NASAをはじめ、宇宙に関する国家機関は軌道デブリを深刻な問題と捉えており、既存の宇宙ゴミを減らし、将来のデブリを抑制するためのプランを考えている。

 人工衛星と宇宙ゴミとの衝突事例はこれまでに4件記録されており、人工衛星を破壊しまた新たな宇宙ゴミを発生させた。宇宙ゴミは重力によって引き寄せられるため、最終的には地球上に戻ってくることになる。いままでのところ地球に落下した宇宙ゴミによる死亡事故はないが、NASAの推定では平均して1日に1個のデブリが地球に落ちてきているという。

Illustration from European Space Agency via AP
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