地球をかすめた小惑星2011 MD

2011.06.27
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
明るい恒星の脇を筋を引いて通り過ぎる小惑星2011 MD。アメリカ、ニューメキシコ州GRAS天文台から撮影。

Image courtesy Ernesto Guido, Nick Howes, and Giovanni Sostero
 米国東部夏時間6月27日13時14分(日本時間28日2時14分)頃、スクールバスほどの大きさの小惑星が地球をのすぐそばを通過していった。 2011 MDと命名されたこの浮遊天体は、地表から約1万2000キロ上空を通過した。月までの距離の約30分の1の近さだ。

 この小惑星は、6月22日にマサチューセッツ工科大学(MIT)のリンカーン地球近傍小惑星探査(LINEAR)計画の研究者により発見された。大きさは幅約6~14メートルと見積もられた。計測によると、最高速度は時速約10万1000キロだった。

 2011 MDは小惑星の基準からすると比較的小さいものだが、地球に十分に近づいたため、アマチュアの天文愛好家でも普通の天体望遠鏡で見つけることができた。

 MITの惑星学者ベン・ワイス(Ben Weiss)氏は、もし真っ直ぐに地球に向かうコースをとっていたなら、この岩の大きさと速度からすれば、十分地表にまで到達していただろうと述べた。「その場合ある種の爆発が起こり、そこそこの大きさのクレーターができていただろう。マンハッタンには落ちてきてほしくないね」。

 2011 MDクラスの大きさの小惑星は、5~10年に1度はこの程度まで地球に接近してくる。約50年に1度は地球に衝突する。「小惑星接近の世界では、これは異常な出来事ではない。最近でもほかに5つの接近天体を追跡した。そのうちの小さな1つは実際に地球に落下した」とワイス氏は話す。

 地球に落下した1つというのは、小惑星2008 TC3だ。大きさは2011 MDの半分程度だった。2008 TC3は2008年10月に発見され、およそ24時間後に大気圏に突入して燃え上がった。後に調査チームがスーダンの砂漠でこの小惑星の破片の回収に成功している。

「遅かれ早かれ、もっと大きなものが地球に衝突することになる」とワイス氏は言う。 小惑星2011 MDは、地球によく似た軌道を持っていることから、アポロ型小惑星の1つと考えられる。ただし公転周期は地球より長く、軌道はより楕円形だ。

 天文学者は、この小惑星が将来再び地球近傍を通過すると予測する。次回はもっと近くを通過するかもしれない。しかし、飛び去った小惑星の軌道を詳細に測定しない限り、確実な予測をするのは困難だ。

 記録されている中で地球に落下せずに最も近づいた小惑星は、2011年2月4日に上空5480キロを通過した2011 CQ1だ。

Image courtesy Ernesto Guido, Nick Howes, and Giovanni Sostero

文=Dave Mosher

  • このエントリーをはてなブックマークに追加